寝苦しい夜が続く8月。寝つきが悪い、寝ようとするといろいろ考えてしまって眠れない、という人におすすめなのが『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)。この本では、心理学的なアプローチによって、読むだけで眠くなるメソッドや眠りをうまく活用する方法を紹介。眠れるようになるだけでなく、仕事や人間関係もスムーズになるなど、思わぬ効果も得られる1冊だ。本書について、『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術著者でSNSフォロワー16万人超えのわびさんも、「よく眠れる&眠った後に自信がつく本」とおすすめする。メンタルの不調で一時期不眠に悩まされていたわびさん。今回は本書の発売を記念して、わびさんに「眠り」に関するエピソードを聞いてみた。(構成:林えり)

【自衛隊】どんな環境でもすぐ眠るコツ、ベスト3Photo: Adobe Stock

寝つきが悪いときにおすすめの3つの方法

自衛隊にいると、いろんな環境で眠ることがあります。私も15人ほどの同期と同じ部屋、灼熱や極寒の演習場、東日本大震災や熊本地震などの災害派遣の司令部といった少し変わった環境で眠らざるを得ないことがありました。

このような経験を通して、普通の人よりはどんな環境でも眠れるようにはなりました。そのコツは次の3つです。

1 運動してほどよく身体を疲れさせる

当たり前のことかもしれませんが、運動して身体をほどよく疲れさせることです。

身体が疲れていれば、無意識に眠ることができます。

自衛隊時代はヘトヘトになるまで活動していることが多かったので、悪い環境の下でなければ、基本的に夜はぐっすり眠れていました。

逆に家でゴロゴロして、あまり疲れていない状態だと、ぐっすり眠ることが難しくなります。

「今日は運動してないな」と思ったら、少し長い距離を散歩してみるといいですよ。

2 外側の刺激や雑音を遮断する

いつもと違う環境になると、ストレスが溜まりやすくなります。

ストレスが溜まっているときは光や音に敏感になり、なかなか眠りにつくことができません。

ただ、逆に言えば、光や音を遮断するだけで、ぐっと寝つきがよくなります。

私も、災害派遣で仮眠を取らなければならないとき、「アイマスクと耳栓」は必須アイテムでした。

「眠れない」という人は、まず自分の睡眠環境を振り返ってみて、光や音の影響を受けていないか確認してみるとよさそうです。

案外、家族のいびきや物音など、雑音のせいで眠れなくなっている可能性もあります。

高品質な耳栓があるだけで、かなりラクになるかもしれませんよ。

3「心の内側の刺激や雑音」を消す、またはつくらない

音や光など、外側の刺激を遮断して、眠る環境を整えても眠れない場合は、そもそも心配事があるなど、心の内側の雑音に影響されている可能性が高いと思います。

そういうときは、頭の中の嫌な記憶をクリアにする必要があります。

ちょっとした嫌な記憶であれば、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』の中にある、「魔法の暗示フレーズ」「眠る前の気持ちいいこと探しゲーム」はおすすめです。

「魔法の暗示フレーズ」は、「人から言われたことが頭から離れないとき」「小さなときにクヨクヨしてしまうとき」など、どういう状況に唱えると効果的なのかが書かれています。

今の自分の状況に合った「わかるようでわからない、わからないようでわかる」フレーズを寝る前に処方することで、スーッと眠りに落ちることができるとのことで、たしかに唱えてみると思考がピタッと止まるものもありました。

私は寝る前によく過去の嫌な記憶を引っ張り出すことがあるので、そんなときはこの本に書かれている「花びら1枚1枚の価値」のフレーズを唱えるようにたいです。

そのほか、この本を読む前から私が実践していたことも書かれていました。

それが「眠る前の気持ちいいこと探しゲーム」です。

この方法の具体的な内容については、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』を読んでみるとよくわかりますが、簡単に言うと、眠る前に気持ちがいい場面を想像する睡眠導入法です。

この方法は「ちょっと寝つきが悪いな」というときにはとても良く効きます。

私自身は今回の3つを実践できるようになってから、睡眠で悩むことはかなり少なくなりました。

嫌な記憶がしつこいようであれば、根本的な課題の解決が必要になるかもしれませんが、今回ご紹介した方法はわりと効果があるので、眠れない夜に気軽に試してみてはいかがでしょうか?