数々の不正疑惑が連日報じられている業界最大手のビッグモーター。今後は取引先への影響も懸念される数々の不正疑惑が連日報じられている業界最大手のビッグモーター。今後は取引先への影響も懸念される(帝国データバンク撮影)

中古車業界最大手のビッグモーターで数々の不正疑惑が報じられている。客足が戻らなければ今後、取引先にも深刻な影響が生じるおそれがある。取引先の内訳データなどを明らかにするとともに、今後の見通しについて解説する。(帝国データバンク情報統括部情報取材課長 内藤 修)

筆者が中古車売却時に見た
ビッグモーターの営業マン

「それでは、いきますよ。いっせーのせ!」

 集まった営業マンたちが、勢いよく名刺を裏返す。その裏に書かれた金額を一瞬で見比べると、すぐに「よっしゃー!」という大きな声が響き渡った。「ビッグモーターさん、やっぱり強いや」という捨てゼリフを残し、他社の営業マンはすごすごとその場を後にした。

 数カ月前、筆者は10年落ちの車を売却した。車買い取りの一括査定サイトに登録を終えると、数秒後すぐに電話をかけてきたのがビッグモーターだった。冒頭のエピソードは、中古車販売の大手3社を集め、現地査定後に“入札”を行ったときの様子だ。他社に比べて、見た目はやんちゃな雰囲気の営業マンだったが、営業トークは抜群で、買い取り提示価格も他を圧倒していた。

 だが、こうした“入札”の現場において、ビッグモーターの営業マンの姿を見かける機会は最近減っているかもしれない。多くの消費者にとってはそれぐらい、今回相次いで発覚した不正の数々はインパクトが大きいものだった。