今、世界的に注目を集めているのがエピクテトスという奴隷出身の哲学者だ。生きづらさが増す現代において、彼が残した数々の言葉が「心がラクになる」「人生の助けになる」と支持を集めている。そのエピクテトスの残した言葉をマンガとともにわかりやすく紹介した『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』が日本でも話題だ。今回は、本書の中から、「君の杯が壊れたときも、他人の杯が壊れたときと同じ態度を君は取らなければならない」というエピクテトスの言葉をマンガとともに紹介する。(マンガ©かおり&ゆかり)

「他人事」のように「自分事」を捉えよう

エピクテトス登場人物紹介。
おいゼニムスどうしたんだ。ほらさっき饗宴で。あーワインをこぼしたことか。ゼニムスそんなに気にするなよ。
数週間後。おやニウスどうしたんじゃ。ぼくってどうしようもない人間なんです。救いようがありません。昨晩饗宴でお出しする料理をこぼしてしまったのです。ニウスよ聞くが、君はこの前ゼニムスにもそう言ったのか。
前に行ったことを思い出してごらん。それは気にも言えることではないかね。いいかねニウスよ、人は時に他人に対しては正しい判断ができるのに、自分のことになるとできなくなってしまう。君は君自身に欠けた言葉を思い返さないといけないね。

(本原稿は、『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』からの抜粋です)