日銀「出口」判断は年明け、2%物価目標17カ月連続超えでも緩和維持の“独特哲学”Photo:JIJI

1年半続く2%超えの物価上昇
「目標未達成」の判断は無理がある

 直近公表の8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同月比3.1%の上昇で、日本銀行が掲げる2%の物価安定の目標を超える物価上昇は、2022年4月以降、17カ月連続で続いている。3%以上の物価上昇では12カ月連続だ。

 それでも日銀は物価安定の目標を持続的・安定的に実現するにはまだ距離があると判断している。物価が2%上がっていないのに政策変更するのは「約束違反」だが、今は目標を達成していないと主張する方こそ無理がある。

 しかも、植田和男日銀総裁の就任後初となる今年4月の金融政策決定会合で金融政策の方針に「賃金の上昇を伴う形で」という文言を加えて、わざわざ目標達成のハードルを高めた。

 消費者物価上昇率の2%超えが続けば、量的・質的金融緩和やマイナス金利も終わると、金融政策の正常化を期待していた人にとっては、後からゴールポストを動かすような決定だった。

 なぜ物価安定目標達成の判断を先延ばしするのか。そこには日銀独特というか、政策当局者ならではと言ってもいい哲学、“戦略”が垣間見える。