脱アナログのさらに先へ
不動産取引を活性化
RESTARCTO
横田匡史氏
不動産テックベンチャー、RESTAR（リスター）創業者でCEOの右納響氏の前職、不動産ファンド運用会社の調査・企画部門の現場には、仲介会社から集まってくる不動産案件情報や、担当者が足で集めてきた情報など、膨大な紙媒体の情報が存在していた。しかもそのほとんどがファイリングすらしっかり行われず、欲しい情報を探し出すだけでもひと苦労。また、必要な情報を取得するために、いくつものサイトを行ったり来たり、その度ごとに案件の所在地を入力するなど、手間暇のかかる作業を行っていたという。
「外資系企業でも、ペーパーレス化やデータベースの整備・管理が遅れていることに課題を感じ、それを解決するソリューションサービスがあれば、不動産業界はもっと活発化すると考えたのです」と語るのは、同社CTOの横田匡史氏だ。
二人が出会ったのは、横田氏が東京大学大学院1年の頃。「DeepZenGoという囲碁AIプロジェクトに参画し、海外のテックジャイアントの強さを知りました。彼らに勝てる専門的でニッチなマーケットで自身のスキルを生かしたビジネスを創造できないかと考えていました」
当時の不動産業界は、市場が大きい割にデジタル化が進んでおらず、業務の内容が複雑で分かりにくい点に、可能性を感じたと横田氏は言う。
同社が提供する「REMETIS（レメティス）」は、案件情報管理・分析等で行われていたアナログ作業を一気にデジタル化して、不動産取引を効率化することで業績アップにつなげるサービスだ。これを創業前から右納氏と二人三脚で一から開発してきた。右納氏が自分の仕事を効率よく進めることを目的に、必要な機能を一つひとつ形にしていったという。プロトタイプが出来上がれば、実際にユーザーに試してもらい、使い勝手などを入念にヒアリングしてブラッシュアップを図っていく。つまり現場のニーズから生まれた、使いやすさを徹底追求しているのが最大の特徴だと横田氏は語る。
