2024年1月からついに開始される「新NISA」。この機会をきっかけに投資をはじめてみようと考えている人も多いのではないだろうか。そんな新NISAは、実は初心者が投資をはじめるのに最適な制度と言える。だが、落とし穴がないわけではない。目先の利益に執着してしまったり、経済の動向を見て焦って投資をやめてしまったりする人も少なくない。
そんな課題を解決するために発刊されたのが『新しいNISA投資の思考法』だ。本書はこれまで37万人の資産運用を見続けてきたウェルスナビ・CEOの柴山和久氏が投資に必要な考え方を1冊にまとめたまさに決定版だ。本記事では本文の一部を抜粋してお届けする。

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長期で資産運用ができる人は数々の経済危機を乗り越えて最終的に得をしている

 長期の資産運用は、10年以上続けられるかどうかが重要です。長期投資を続けることで、経済危機の影響を乗り越えていくことができるからです。

 過去30年を振り返ってみると、経済危機と言われるような出来事が、少なくとも6回は発生しました。1997年のアジア通貨危機では、日本でも大きな銀行が経営破綻しました。翌年の1998年にはロシアの通貨危機が起こり、アメリカで世界最大規模を誇っていたヘッジファンドが破綻し、アメリカ政府が救済に乗り出しました。2000年にはドットコム・バブルの崩壊がありました。

 21世紀に入ってからも、経済危機は続きます。2008年にはリーマン・ショックが発生し、世界経済が大きな打撃を受けました。その後も、ヨーロッパや中国の経済危機、最近のコロナ・ショックなどがありました。

 資産運用をしていると、こうした経済危機のたびに、資産の評価額は下がります。それでも、長く続けることで、資産は大きく成長してきました。

長期投資シミュレーション本文より抜粋