写真:投資で失敗した男性のイメージPhoto:PIXTA

「新NISA」のスタートを目前に控えた今、FP(ファイナンシャルプランナー)の筆者がとても気になっているのが、定年前後で投資デビューしようと鼻息が荒い人たちだ。そうした人の中で心配になってしまう人の共通点は大きく三つある。あなたは大丈夫だろうか?確認してみてほしい。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

「新NISA祭り」で
投資熱が高まりすぎ?

 来年、2024年1月から、「新NISA」がスタートする。投資がテーマではないライフプランセミナーでも参加者からNISA(少額投資非課税制度)について質問を受けることがたびたびある。メディアが取り上げる機会も多いことから、「新NISAをきっかけに投資をしたい」人が急増している。世の中はすっかり「新NISA祭り」の様相で、24年は久しぶりの投資ブームが到来しそうだ。

 そろそろ「金利のない世界から、金利のある世界」に変わる気配があるが、それが実現したとしても、長期金利が5%を超えていた一昔の頃のように預貯金だけで安全確実に金融資産を増やしていくことは難しい。多くの人が限りなくゼロに近い預金金利にうんざりしているから、新NISAをきっかけとした投資熱が高まっているのだろう。

「新NISA祭り」目前の今、筆者が気になっているのは、定年前後で投資デビューしようとやる気満々の人たちだ。大丈夫かな、と心配な気持ちでいっぱいだ。

 今回は、定年前後の人が退職金やこれまで貯めてきた老後資金を原資に、初めて投資に挑戦する際の心得について書いてみようと思う。