原油相場1バレル「70ドル割れ」は値ごろ?中東情勢や米中石油需要の行く末Photo:PIXTA

原油相場は足元下落基調で推移している。値頃感が出ているともいえるが、中東情勢を巡る懸念の緩和や米中経済減速による石油需要の鈍化で需給が緩みやすくなっている。当面は一進一退の動きが続きそうだ。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)

イスラエルのガザ侵攻後
いったん上昇も足元軟調

 原油相場は軟調に推移している。

 イスラエルのガラント国防相が、部隊に対して、「近くガザを内側から見ることになる」と発言した翌日の10月20日には米国産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で1バレル当たり90.78ドル、欧州北海産のブレントで93.79ドルまで上昇していたが、その後は、軟調な推移が続き、WTIは70ドル割れ、ブレントは75ドル割れまで落ち込んでいる。

 次ページ以降、軟調に推移している背景を検証し、今後の動向を予測していく。