持病のある人は年末年始の休診前に
かかりつけ医を受診しておこう

 自ら望んで病気やケガをしたい人はいないだろうし、病気やケガをするタイミングを自分でコントロールすることはできない。病気やケガの症状が出ているのに、受診を控えて手遅れになってしまうのは本末転倒なので、年末年始に体調を崩した場合は、お金のことは気にしないで、緊急診療を行っている医療機関を受診すべきだ。

 だが、診療報酬の仕組み上、医療機関を受診する曜日や時間帯によって、医療費はどうしても高くなってしまう。また、休日や夜間の救急外来は、その病気やケガの治療の専門ではない医師が診療に当たっていることも多く、持病の治療などでは、後日改めてかかりつけの医療機関の受診が必要になることもある。平日に受診するより、メリットは多くないので、緊急やむを得ない場合を除いて、休日や深夜の救急外来の受診は避けたいもの。

 もしも、万一、急な病気やケガで、かかりつけ以外の医療機関を受診することになった場合は、健康保険証と一緒に「おくすり手帳」を忘れずに持っていこう。

「おくすり手帳」には、これまでに使用した薬が時系列で記録されているので、初めて受診する医療機関でも適切な治療を受けやすくなる。薬剤師や医師に見せると、薬の重複投与や相互作用による薬害を防げるので安心だ。

 年末年始は何かと慌ただしく、体調管理がおろそかになりがちだ。だが、ここで見てきたように、病気やケガをして休日夜間の緊急診療を受けると、医療費が余計にかかることになる。

 特に持病があって、毎日、服用しなければならない薬がある人などは、年末年始の休診中に薬が切れてしまうと大変だ。平日の診療時間内にかかりつけ医を受診して、早めに薬を処方してもらおう。

 医療機関が一斉に休診する前に、かかりつけ医を受診しておくことは、年末年始の大切な準備のひとつだ。体調を整え、無事に新しい年を迎えたい。