50位以内に1校も入らなかった関東

 関東1都6県は、公立校ランキングベスト50に1校も見当たらない。東京都では、71位都立国立(くにたち)が最高位で、一橋大22人、東京都立大21人、東京農工大18人と多摩地区でバランス良く合格している。次いで京都大17人、東京大は10人となる。この点、東京大51人と突出している220位都立日比谷とはだいぶ趣が異なるようだ。ちなみに、186位都立西は東京大17人、京都大18人となっている。222位都立小石川中等教育学校は、他の都立高校の半分弱の卒業生数で東京大16人と一橋大11人の合格実績は特筆できる。

 北関東では、各学区の進学校が軒並み中高一貫校化している茨城県の並び順が興味深い。60位県立水戸第一と146位県立土浦第一というライバル校に割り込む形で、124位県立並木中等教育学校(つくば市)が県内2番目と躍進している。東京大と京都大の合格者数は、水戸第一が15人と7人、土浦第一が15人と5人とほぼ互角なのに対して、卒業生数が両校の半分弱の並木は9人と5人となっており、合格率で見れば両校を超えてしまった。ちなみに水戸第一で合格者が多い国立大は、筑波大41人、東北大28人、茨城大17人の順となっている。

 栃木県トップは男子校の104位県立栃木で、東北大・宇都宮大各18人、新潟大13人、千葉大10人、次いで共学校の120位県立石橋は、宇都宮大30人、千葉大11人、筑波大・茨城大・埼玉大各10人と近隣県が占めている。男子校の154位県立宇都宮は、東北大が35人と突出、東京大・千葉大各11人、北海道大9人、筑波大8人、京都大5人と旧帝大・旧官立大志向が強く出ている。

 群馬県トップは共学の94位県立中央中等教育学校(高崎市)で、他の県立進学校の半分弱の卒業生が東北大11人、東京大・群馬大各5人、筑波大4人、京都大・東京工業大・千葉大各3人といった具合に幅広く合格を得ているのはすごい。次いで男子校の116位県立高崎が東北大26人、群馬大18人、新潟大12人、金沢大11人、高崎経済大9人、東京大8人、京都大5人なのに対して、135位県立前橋は群馬大が37人と多く、新潟大14人、東北大13人、金沢大10人、京都大7人、東京大5人と、往時の勢いは感じられない。

 南関東では、埼玉県が男子校の128位県立浦和、共学校の198位県立大宮、男子校の269位県立川越の順となっている。浦和で合格者数の多い国公立大を見ると、東京大36人、東北大24人、一橋大20人、北海道大16人、千葉大15人と圧巻だ。対する大宮は、東京大19人、東北大・埼玉大各17人、筑波大16人、千葉大14人、東京工業大11人である。
 
 千葉県は県立御三家の137位県立船橋、138位県立千葉、257位県立東葛飾が上位に顔をそろえている。このうち千葉と東葛飾は中学を付設している。船橋が千葉大54人、一橋大27人、筑波大18人、東北大17人、東京工業大16人、東京大11人なのに対して、千葉は千葉大48人、東京大25人、東京工業大14人、一橋大13人、東北大12人となった。
 
 神奈川県は78位県立横浜翠嵐(横浜市神奈川区)、237位県立柏陽(横浜市栄区)、240位県立湘南(藤沢市)の順となっている。横浜翠嵐は横浜国立大46人、東京大44人、東京工業大25人、北海道大18人、東北大15人、京都大14人であるのに対して、柏陽は横浜国立大38人、千葉大11人、東北大・電気通信大各10人、湘南は横浜国立大31人、東京大20人、北海道大18人、東京工業大・一橋大各11人といった具合で、横浜翠嵐の突出ぶりがうかがえる。