みなさんはメモを取るとき、何を使っているでしょうか? 1000人以上の東大生のノートを分析してまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者であり、現役東大生の西岡壱誠氏は、ボイスメモや頭の中で覚えておくよりも「紙とペン」を使うことが重要だと語ります。本記事では、西岡氏に「紙とペンでメモを取る重要さ」について話を聞きました。

東大生断言「聞いて覚えるからメモは取らなくていい」は大きな間違いPhoto: Adobe Stock

紙とペンでメモするのが重要な理由

みなさんは、メモを取る習慣のある人ですか? それとも、メモを取らない人ですか?


よく、「頭の中で整理しているからメモは取らなくていい」という人がいます。または「忘れないようにしているからメモを取らなくても大丈夫」という人も。

スマホの録音機能もありますし、メモを取らないという人も増えているのが現状なのではないかと思います。

しかし、やっぱり紙とペンを用意してメモを取るという行為をすることは、とても重要なことなのです。

たしかに、物事を忘れないようにするためのメモであれば、録音すれば一発です。でも、メモを取るというのは相手の話を理解する上で重要なのです。

たとえばメモを取るときには、数ある言葉の中から「ここがキーワードだ」と思うことを抜き取ることをします。「ここが大事だ」と思うポイントを探す聴き方ができるようになるので、これだけで頭は良くなります

また、相手の言葉を解釈し、自分で文を作ってメモにまとめるという行為をするとなると、「この人は何が言いたいのか」という問いに対する答えを考えることになります。これを繰り返していくだけで、相手の話を要約することができ、頭に残りやすくなるのです。

そもそも録音したとしても、あとから聴き直さなければなりません。また、「録音があるから」という安心感で、相手の話を積極的に聞かなければならないと思えなくなってしまうというマイナスもあります。「録音があるから」と考えていてはいけないのです。

東大生は積極的にメモをする

東大に入って授業を受けるときにも、東大の教授が「メモを取りなさい」と言っていました。「君たちは頭がいいから、自分でメモを取らなくても覚えていられるという人がほとんどでしょう。でも、メモを取るというのは、忘れないようにするためにやることではありません。頭の中を整理するために行うことです。ですから、メモを取りなさい」と。

高校時代、僕の偏差値は35ととても低かったのですが、それでも何もメモをしないで授業を聞いていました。でも、東大の教授の話を聞いて、「偏差値の面で言えば日本で一番頭がいい人の集団に対してすら、そんな風に言っているんだから、あのときの自分は間違っていたな」と反省したのを覚えています。

このように、頭の中を整理して相手の話をよく理解するためにメモやノートを取るというのはとても重要な行為だと言えます。みなさんも、「メモなんて取らなくてもいいや」と考えずに、ぜひ書いてみてください!