円高は実質賃金低下に歯止め、金融政策正常化への「円高悪影響」論は正当化できるか?Photo:PIXTA

12月日銀短観、景況感改善
製造業よりも非製造業で顕著

 日本企業の収益が絶好調だと言われる。その一因として米国が利上げをしてきた中で日本銀行が異次元緩和を維持していることで円ドル相場が円安になっていることがあげられている。とりわけ製造業の場合には、好収益の原因は円安だと言われている。

 確かに日本銀行が12月13日に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)でも、景況感の改善が顕著に見られた。ただし、景況感を示す業況判断指数(DI)は、製造業よりむしろ非製造業で顕著だ。

 大企業製造業では3ポイント改善してプラス12だった。中小企業製造業は、6ポイント改善して、4年9カ月ぶりにプラスになり、プラス1となった。それに対して、大企業非製造業は7期連続の改善でプラス30だ。宿泊・飲食サービスはプラス51で、2004年の調査開始以来の最高値となった。

 24年には金融政策の正常化が始まると市場で予想され、金利や為替レートなどがこれまでと大きく変わり、新しいレジームの始まりとなる可能性がある。

 円高になり企業経営や経済への悪影響を予想して金融政策正常化を懸念する声もある。だがはたしてそうだろうか。