あなたの知り合いで、「ブランド品」をやたらと欲しがる人はいるだろうか? もし思い当たるのなら、その人の特徴を1つ考えてみよう。おそらく、本稿で紹介する特徴とおおよそ一致するはずだ。
今回は、世界的ベストセラーの邦訳版で、「ここ数年で最高かつ、最も独創的なお金の本」「読んだら人生変わった」と絶賛されている『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』から一部を抜粋・編集して、「高級ブランドが好きな人」のざんねんな特徴を解説する。

「高級ブランドが好きな人」に共通する“ざんねんすぎる特徴”Photo:Adobe Stock

高級車に乗っている人には、誰も注目していない

 高級車は、周りの人に「私は成功者だ。頭が良くて、金持ちで、趣味が良く、重要な人間だ。さあ、私のことを見てくれ――」というメッセージを発する格好の道具だと、高級ホテルのボーイのアルバイトをしていた当時の私は思っていた。

 だが皮肉なことに、私は高級車に乗っている人には目もくれなかった。「あの車を運転している人はかっこいいな」ではなく、「自分があの車に乗っていたら、みんなにかっこいいと思われるだろうな」と考えていたのだ。

 高級車に乗っている人びとは、実は誰もドライバーなど見てもいないことに気づかず、自分自身が称賛されると思い、高級車を買ったのではないだろうか。もちろん同じことは、豪邸に住んでいる人にも当てはまるだろう。宝石や高級ブランドの服もそうだ。

高級ブランドを好む人→「称賛されたい」という承認欲求が強い

 人は、「私は他人に好かれ、称賛されるべき人間だ」というシグナルを発しようとし、富を求める。しかし、富を誇示するような高級品を苦労して身につけても、本人が思っているほど他人からの尊敬や称賛は得られない。 
 
 尊敬や称賛が目的なら、その求め方には注意しよう。馬力の大きなスポーツカーを買うより、謙虚さや優しさ、共感があるほうが、多くの尊敬を集められるはずだ。

高級車を持っていても「お金持ち」とは限らない

 フェラーリが道を走っているのを見たら、「持ち主は金持ちに違いない」ととっさに思う人は多いだろう。

 だが、私はこうした高級車の持ち主たちと知り合い、必ずしも彼らが特別な金持ちではないことに気づいた。それなりに成功はしていたが、給料の大半を高級車に注ぎ込んでいるような人も少なくなかったのだ。

 10万ドルの高級車を持つ人は、裕福かもしれない。しかし実際のところ、それでわかる唯一のデータは、車を買う前よりも手持ちの金が10万ドル少ない(あるいは10万ドル多く借金をしている)ということだけだ。

 人は、目に見えるものから誰かの豊かさを判断しようとする。それが、目の前にある唯一の情報だからだ。他人の銀行口座の中身や、証券会社の取引明細書を見ることはできない。だから、誰かの経済的な成功を測るとき、外見に頼ることになる。

 しかし実際には、真の富とは目に見えないものだ。富とは、購入しなかった高級車であり、買わなかったダイヤモンドである。身につけていない時計、着ていない服、乗らなかったファーストクラスの座席である。富とは、目に見えるものに変換されていない金融資産のことなのだ。

(本稿は、『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』の一部を抜粋・編集したものです)