高配当株の選び方

投資家に人気の高配当株。新NISAでも、そのメリットを最も確実に得られる投資対象としてオススメです。ただし、配当利回りだけ見て選ぶのはNG。買うタイミングや配当の受取方法でも、気を付けるべき点があります。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2024年度版』から、高配当株を買う際の注意点と、優良な高配当株の例を紹介します。

非課税のメリットを確実にゲット!
重要なのは“減配リスクが小さい”こと

 新NISAのメリットを、最も確実に得られるのが高配当株です。

 特定口座などでの普通の投資では、配当から約20%の税金が差引かれます。株価が下がって損が出ている場合でも、です。しかし新NISAなら非課税で、配当額の100%を手にできます。配当にかかる税金20%分は必ずトクになるわけです。

 ただし、配当利回りだけ見て選ぶのは失敗のもと。前年より配当が減る「減配」のリスクが、小さい銘柄を選ぶのが基本です。減配になると、もらえる配当額が減るだけではありません。高配当株の株価は“配当人気”が支えている面が大きく、その支えが外れると株価も急落しかねないのです。

 長期でじっくり投資したい人は、減配しない株、毎年の配当が安定している株を選ぶべきです。さらに、前の年より配当が増える「増配」が多い銘柄だとベタ。こうした銘柄は、株価も安定していることが多く、長期でも安心して持ち続けることができます。

 また配当が増える株は、長期で持ち続けると、買い値で見た配当利回りがアップします。例として、月刊マネー雑誌『ダイヤモンド・ザイ』が選定する「10年配当株」の1銘柄を紹介します。

優良な高配当株の例※データは2023年11月10日時点
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 芙蓉総合リースは、今期予想で19年連続の増配。10年前の配当利回りは1.82%でしたが、10年前に買って持ち続けたとしたら、購入時の株価で見た配当利回りは9.61%になります*。

 なお10年配当株とは、ザイ独自の指標「10年配当度」で高得点の、“この先10年安心して配当を受取れる株”。過去の配当実績や配当を支払う余力、業績の安定性や成長性などで徹底評価しています。「配当維持」「増配」「増益」は今期予想を含む直近10年で、それぞれ減配の有無、増配の回数、当期利益の増益回数。「配当性向」と「利益率」(売上高営業利益率)は今期予想ベース、「規模」は時価総額での評価です。

*10年前(2013年11月11日時点):予想配当74円÷株価4060円×100=1.82%
→10年後(2023年11月10日時点):予想配当390円÷購入株価4060円×100=9.61%

配当の受取方法も要チェック!
新NISAでも税金を取られることも

 高配当株への投資では、買うタイミングにも気をつけましょう。

 高配当株は、その期に配当をもらうための“締切日”である「権利付最終日」(権利確定日の2営業日前)に向けて株価が上がり、権利付最終日の翌日(権利落ち日)には急落する傾向があります。割高になる「権利付最終日」直前の購入は、避けるのが得策です。

 配当の受取方法もチェック。非課税のメリットを得るためには、株を買った証券会社で配当を受取る「株式数比例配分方式」にしなければなりません。銀行での受取(登録配当金受領口座方式)や郵便局での受取(配当金領収証方式)だと、新NISAでも配当に税金がかかるので注意してください。

※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2024年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。