「新NISA」は必要か?政府はリスクを煽るのでなく公平な税制を目指せPhoto:EPA=JIJI

1月から新しいNISA
株式市場は好況だが

 1月22日には終値が3万6000円台を超えるなど、年初来、東証平均株価はバブル後の最高値を何度も更新し、株式市場は好況だ。

 背景には日本企業の業績好調や米国の金利低下などが言われているが、証券業界などでは1月から始まった新たなNISA(少額投資非課税制度)が個人マネーを株式市場に流入させるという期待感もあるようだ。

 2022年11月、「新しい資本主義実現会議」で「資産所得倍増プラン」が決定された。家計金融資産の半分以上を占める現預金を投資につなげることによって、持続的な企業価値向上の恩恵が資産所得の拡大という形で家計にも及ぶ「成長と資産所得の好循環」が実現するとされた。

 そのための切り札がNISAというわけだ。だがもともと金融資産所得課税には税制上のいくつかの優遇措置が行われてきた。

 NISAは、本当にそれほど大きな効果を持つのだろうか? そもそも預金からリスク資産へのシフトは、望ましいことなのだろうか?