終値で約34年ぶりに3万6000円台を回復した日経平均株価を示すモニター終値で約34年ぶりに3万6000円台を回復した日経平均株価を示すモニター Photo:JIJI

日本とアメリカ、株価最高値更新
だがGDP成長や産業構造は大違い

 日経平均株価は年初から上昇を続け、「バブル崩壊後の最高値」を何度も更新、1月22日には終値が3万6546円と、1990年2月以来の高値になった。31日も終値は3万6000円台を維持した。

「失われた30年」をようやく脱し始めたという声も聞かれる。本当だろうか?

 株価の好調はアメリカでも同じだ。NYダウ平均株価も22日、初めて3万8000ドルを超え最高値を更新している。1990年からの30年で、ダウ平均株価が約10倍になった。年利で言えば、約8%だ。ITや創薬などの新しい産業群と企業群が誕生しめざましく成長しているからだ。実際、名目GDP(国内総生産)は、90年から現在までの間に約4倍に増えた。

 つまりアメリカの株価の上昇は、2つの実体的な要因による。第1はGDPの成長。第2は産業構造の高度化。このように、株価の上昇には実体経済活動の裏付けがある。

 それに対して日本はどうか。実は「最高値」の中身は空虚でみすぼらしいものだ。