仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は特別に、その中から幹事が一番悩むであろう「店選び」における下見の重要性について紹介しよう――。

【上司に見捨てられる】使えない「飲み会の幹事」がやりがちな致命的な大失敗<“会場下見”を軽視してはいけない>Photo: Adobe Stock

下見でしかわからないこともある

たとえば送別会のお店の予約を済ませたといっても、現地に行かないとわからないことはまだまだある。

私の経験上、下見の結果でその店での食事会を取りやめたことはほとんどない。
しかし、念のため注意して見ておいたほうがいいポイントがある。もし初めてのお店で、かつリードタイムがあるようであれば一度はプライベートでも訪問しておきたい
ネガティブチェックをした中で違和感がぬぐえなかった場合は、店を変えるのも手だ。

チェックすべき点はいくつかあるのだが、いずれも共通しているのは、「飲食店のWebサイトは便利だが、盲信してはならない」ということだ。(逆に、信頼できる「お店有識者」からの紹介であれば、ほとんど大丈夫だと言えるだろう)盲信すると、大失敗するおそれがある。

「WEBに載らない情報」は現地でしか手に入らない

たとえば、【現地までのアクセス】はどうだろうか。

「駅徒歩5分」と書いてあったとしても、安心は禁物だ。道が分かりづらい場合もあるし、お店が見つけづらい場所にあるためにゲストが迷う可能性もある。駅の出口が複数あるならば、案内メールにその旨を記載しておいたほうが丁寧だ。ゲストが車で向かう場合でも同様だ。車の停めやすいところ、タクシーの停めやすいところがわかっていたほうが心強い。

他にも、【衛生面】もしっかりと見ておきたい。調理場だけでなくエントランスなども注意して見ておこう。Webだけではわからないことが多いが、中には衛生面で問題がありそうなお店も存在する。ゲストが不愉快に感じそうなレベルの場合は避けたほうがよい。

女性の参加者がいる場合、できる限り男女別のお手洗いがあるお店を選ぼう。また、歴史のある飲食店の中にはいまだに洋式トイレを導入していないお店もある。ゲストによってはネガティブな印象を持たれかねないので可能な限り避けたいところだ。

地下の店の場合には携帯の電波が入らない可能性もある。役職者がいる会食・食事会で電波が入らないお店は避けたい。