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小説じつは…経済研究所

日本では新奇的に扱われる「アベノミクス」は、
じつは「世界標準ノミクス」だった!?(1)金融緩和編

佐々木一寿 [グロービス出版局編集委員]
【第11回】 2013年3月29日
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麹町経済研究所のちょっと気の弱いヒラ研究員「末席(ませき)」が、上司や所長に叱咤激励されながらも、経済の現状や経済学について解き明かしていく連載小説。今回から3回にわたっては、特別編として、“いまさら聞けない”アベノミクスについて、末席が精魂こめて解説します。まずはアベノミクス3本の矢の1本目、金融政策から。(佐々木一寿)

 「主任はただいま、外出中でございまして…」

 マネジャーが電話をとって対応している。

 「これはこれは、ヨミヨミ新聞の方ですか、ご連絡ありがとうございます」

 どうやら、新聞社からの取材らしい。ヨミヨミ新聞は大手の全国紙であり、これは光栄なことである、といった雰囲気を全面に押し出して対応している。

 「えっ。…そうなんですね」

 こんどは一転して声のトーンが2つばかり落ちている。いったい、どうしたというのだろう。

 「であれば、主任ではなく、もう1人のほうがむしろ適役かもしれません。その者でもよろしければ…」

 マネジャーは受話器越しに末席をチラリと見た。

 「ご快諾ありがとうございます。では、なにとぞよろしくお願いいたします」

 そう言って保留ボタンを押して、マネジャーは末席のところに来た。

 「末席研究員、取材対応をお願いできるかな」

 「はい。でも、大手の新聞の取材は主任の役割じゃないですか。今ならケータイでつかまるかもですが、いいんですか、僕でも」

 「うん、もちろんじゃないか、私もいずれはこんな日がくると思っていたんだよ。よろしく頼むね!」

 感激した面持ちのマネジャーを見て、「もらい感激」をしてしまった末席は、受話器をとって挨拶をした。記者も挨拶を返す。

 「こちらヨミヨミ新聞の朝口と申します。今回はアベノミクスの取材をお願いしたいと思いまして」

 いまどきアベノミクスなんて、直球中の直球じゃないか。しかも嶋野主任の得意分野でもある。これは一生懸命やらないと。末席は重責に応えようと必死の形相だ。

 「ただ、できるだけわかりやすくお願いします」

 無論、そのつもりである、読者はエコノミストではないのだから。末席はわかっていますよ、という風に頷いた。

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佐々木一寿 [グロービス出版局編集委員]

横浜国立大学経済学部国際経済学科卒業。大手メディア複合グループの出版部門勤務、報道系編集デスクを経て、グロービス入社。現在は、同社出版局の編集委員として、書籍・教材をはじめとする各種著作の企画・構成・執筆を担当。主に「グロービスMBA」シリーズ、「グロービスの実感するMBA」シリーズ(ともにダイヤモンド社刊)、「グロービスMBA集中講座」シリーズ(PHP研究所刊)の編集・執筆に携わる。


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