個人消費「3四半期連続マイナス」は金融危機など過去2回だけ、景気“腰折れリスク”を検証Photo:PIXTA

23年10~12月期、前期比▲0.3%
サービス消費も7四半期ぶり減少

 個人消費が低調だ。内閣府が3月11日に公表した2023年10~12月期における実質民間最終消費支出(2次速報の季節調整値)は前期比▲0.3%と3四半期連続で減少した。幅広い財への支出が減ったほか、外食などが含まれるサービス消費も7四半期ぶりに減少した。

 個人消費が3四半期あるいはそれ以上の期間で減少を続けたのは、遡及(そきゅう)可能な1980年以降では、金融危機が起きた90年代末と、リーマン・ショックなどによる08~09年の2回だけだ。

 いずれの時期も日本経済は大きく落ち込んだ。名目GDPの6割近くを占める個人消費の減少が続けば、今回も景気が腰折れするのではないかとの懸念も聞かれる。

 3月13日に自動車・電気大手などで集中回答が行われた今春闘では高い賃上げ率が予想される一方で、海外では中国の不動産不況に加え、米国経済の「ソフトランディング」をめぐってもなお不透明感が残る。

 景気の腰折れはないのか?