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消費税率引き上げ

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第2回】 2007年10月23日
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 一時下火になっていた消費税率引き上げの議論が、ここへ来て再び熱を帯びてきた。10月17日の政府の経済財政諮問会議で、当初想定されていた経済成長率3.0%を、より現実的な2.2%に下げると、2011年度に国と地方を含めた基礎的財政収支(国債の発行や元利支払いなどの部分を除いた基本的な財政収支=プライマリーバランス)黒字化の目標を達成するためには、消費税率を最大2.5%引き上げることが必要との試算が了承された。

 これは、単に一つの試算が了承されたことを意味しない。今回、初めて経済財政諮問会議が、将来の増税必要額を明示したことに意義がある。同会議の担当である大田弘子経済財政担当相は、会議後、あくまでも経済成長を強化することによって、プライマリーバランスの黒字化を目指す方針を強調した。

 しかし、今回の承認が、今後の消費税率引き上げ議論のスタートラインになると見て間違いないだろう。過去の例を見るまでもなく、消費税率に関する議論は実体経済に大きな影響を与える要因で、今後の景気の行方を左右することも考えられる。今後の議論の進展には注目することが必要だ。

消費税引き上げの必要性

 消費税引き上げ議論の背景には、わが国の巨額の財政赤字がある。わが国の財政は、先進国中最悪といわれるほど多額の借金を抱えている。財政当局でなくても、何とかして、早期に財政を立て直す必要があることに異論はいないだろう。

 問題は、如何にして財政を立て直すかだ。財政建て直しを目指すためには、支出を減らすか、収入=税収を増やすかしか方法はない。ただ、支出を減らすと言っても、少子高齢化が加速するわが国では、社会保障費の増加は避けられず、削減の余地には厳然とした限界がある。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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