②養子縁組を活用する

 2つ目は、年を重ねていく中で、自分を慕ってくれる人が現れることがあります。それは異性なのか、遠い親戚なのかは分かりませんが、そうした方が現れたら、その方に遺産を渡すという遺言書を作ってあげたり、養子縁組をしたりする方も中にはいます。

 養子縁組をしておけばその人が相続人になるので、兄弟姉妹は関係なくなり、手続きとしてはスムーズです。

 第三者の誰かにお金を渡す場合、そのことが書かれた遺言書があれば、全財産を渡すことが可能になります。

 なぜなら、兄弟姉妹には最低保障されている遺留分を相続する権利がないからです。従って、全財産を友人にあげると書かれていたとしても、兄弟姉妹はそれに対して文句を言う筋合いがないのです。

 ただし、そうした場合、兄弟たちが「その遺言書自体が無効だ」という訴えを起こすことが多いです。

「本人の本当の意思ではなく、内縁の妻などにそそのかされて書いたのではないか?」「既に認知症だったからそんな遺言書は書けるはずがない!」というアプローチで遺言書そのものを無効にしようと訴えを起こすことが多いのです。

 その場合、基本的には、公正証書遺言で作っていたり、弁護士立ち会いの下で作っていたりすれば、無効にされるリスクは少ないです。しかし、自分だけで作った自筆証書遺言で、しかも手が震えていたり、既にアルツハイマーの認知症の診断が出ていたりすると、無効にされる可能性は高いでしょう。

(本原稿は『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』の著者、橘慶太氏への取材をもとに作成したものです)