2019年に「老後2000万円問題」が世間を騒がせて以降、株式投資などで資産を増やそうとする動きが広まっている。身のまわりで、投資に関する話を耳にする機会も増えただろう。
ただし、投資には景気の動向など「不確定要素」がつきもので、運に左右される面があることは否定できない。いったいどうすれば、不運な目に遭わずに、投資で成功することができるのだろうか?
そこで今回は、「読むと人生が変わる」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書!」と絶賛されている、全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』より一部を抜粋・編集して、老後に不幸にならないための「正しいお金の使い方」をご紹介する。(構成/根本隼 初出:2023年10月10日)

「老後に不幸になる人、ならない人」。貯金の使い方に表れる“決定的な差”【書籍オンライン編集部セレクション】Photo:Adobe Stock

投資には「失敗のリスク」がつきもの

 普通のサラリーマン生活を送っている人のほとんどは、老後の生活でお金に困ることがないように、現役時代のうちから給料の一部をコツコツと貯蓄に回し続ける。投資にチャレンジしている人もいるだろう。

 特に、2019年に「老後2000万円問題」が世間の耳目を集めて以降は、定年後のお金のやりくりに不安を覚えた人々が、投資を通じて金融資産を増やそうとする流れが加速した

 しかし、投資をしている人にとっても、これからチャレンジしようとしている人にとっても、最大の不安は「失敗したときのリスク」だろう。

 実際、グローバル化が進んだいま、国内外の社会的・経済的・政治的状況しだいで、投資環境はあっという間に変動する。投資には、自分にはどうにもできない「運の要素」が潜んでいるのは事実だ。

 そのため、多くの人が、「不景気や不確実性に対応するには、どうすればいいのだろうか」と悩んでいる。

 そこで、ここからは『JUST KEEP BUYING』より一部を抜粋・編集して、投資に失敗して「不幸な老後」にならずに済むための、3つの方法をご紹介する。

想像以上に、ファイナンスは自分でコントロールできる

 投資では運がカギを握っているのは事実だ。だが、あなたが思っている以上に、自分の将来のファイナンスはコントロールできる

 市況がどうあれ、どの程度貯蓄/投資するか、どの資産に投資するか、どのくらいの頻度で投資するかは自分で決められるからだ。

 私は投資でも人生でも、運が大きな役割を担っていることを認めている。だが、私は決してそれに対して無力ではない。あなたにとってもそうであるべきだ。

 不運が起こる前にも後にも、それに対処するためにできることは必ずある。
(P.306~307)

「不幸な老後」を避けるための貯金の使い方

 たとえば、あなたがリタイア間近で、今後の株式市場が悪い10年を迎えようとしていると不安になっているなら、次の3つの方法でマイナス面を回避できる。

(1)低リスク資産(債券等)に分散投資する……老後に備えて十分な債券を保有していれば、株価の下落時に資産を取り崩す際、株ではなく債券を売ることでマイナスの影響を抑えられる

(2)市場の低迷時は、資産の取り崩し率を減らす……年率4%で資産を取り崩そうとしていたときは、一時的にその率を下げることで市場の暴落による損失を軽減できる

(3)パートタイムの仕事をして収入を補う……リタイア生活のメリットは、自分の時間を使って何をするかを決められることだ。市場が低迷しているときは、資産を取り崩す代わりに、できる範囲で働き、収入を補うことを検討してみよう

 リタイア間近ではない人にとっても、分散投資や、収入や支出の一時的な変更は、経済的に困難な時期を乗り越えるのに役立つ。

 現在のあなたの経済状況がどうあれ、不運に対処する選択肢は必ずある。そもそも、不運はあなたが思っているほど悪いものではない。それは、ゲームの一部なのだ。
(P.307~308)

(本稿は、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集して構成したものです)