ザイの新NISA本の決定版『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門』では、すでに投資で「億」の資産を築いている著名個人投資家の藤川里絵さんに取材。「街中で銘柄選びのヒントを探して、日本株を中長期保有」という手法が有名な、藤川さんのNISAの戦略とは? 2023年までの旧NISAの戦略の振り返りから、新NISAの投資方針まで教えてもらいました。

積立の安心感があるから個別株の売買が楽しめる

 主に、個別株の売買で資産を10倍以上に増やした藤川さん。しかし、意外にもNISAではもっぱら投資信託を積立てているそう。

一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門リーマンショックもなんのその、旧NISAでの投信積立の成績はすべてプラス
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「NISAが始まった当時は全世界株型の投資信託(オール・カントリー=オルカン)がなかったので、先進国債券型、先進国株型、新興国株型に分散して積立てていました。直近5年の成績をみても全部プラスです」

 株で有名な藤川さんですが、2007年に投資を始めた時も、まず、投資信託の積立からスタートしていました。

「積立開始直後にリーマンショックが起こりましたが、その下落時も積立を継続したことにより、資産が大きく増えました。だから、投資信託の積立に絶対的な信頼感があります。これがあるから個別株が楽しめる!」

一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門

 もちろん、新NISAでも投資信託の積立を継続する予定です。

「銘柄探しが楽しい個別株の中長期の売買は特定口座で続けるつもり。NISAでやると、上がっても欲張って売れなかったり、下がっても売らなかったりしそうだからです。新NISAでは頭を使わなくていい積立で、オルカン(=オールカントリーの略)1本にします。成長投資枠も同様の積立の予定ですが、年の途中で大暴落があったら残りの予算を一気に入れるかも。5年で早めに枠を使い切りたい。その後暴落があってもホールドです!」

 新NISAでの投資の原資は、特定口座や旧NISA口座の投資信託を売却した分などを充てる予定だと言います。

「ただ、歳を重ねたら、高配当株に投資して配当金を受取るのもいい。無期限だから自由に使いたいです」

※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。