3つの選択肢のうち正解は?

 答えは次のグラフになります。

グラフ

 結論、2番の「5000万円の中古マンションを今すぐに買う」が40年後の資産形成として最も優れています。

 その差はグラフからもわかるとおり、なんと賃貸に住み続けた場合に比べて、累計の住居費は2000万円以上もの差がつきます。また、驚くべきことに5年後に家を安く買った場合でも、家を買わずに待っていた時間の差は埋められず、5年待った以上の差がついてしまうことがわかります。

資産性の高い住宅の購入は早いほうがいい3つの理由

 このシミュレーションを見たうえで考えてほしいのは次の3つです。

 1つ目は、「売却後の手残りがある」という点です。これは、物件を売ったときに得られる金額が考慮されるという意味です。

 たとえば、5000万円の中古マンションの場合、ローンを完済した35年後の累計支払額は8000万円ほどです(金利1%の場合)。これだけ見てみると実は賃貸と大きく変わりません。しかし、手元には自宅があります。それを売ったときの金額を得られることが、賃貸との大きな差になっています。以前大手新聞社が、賃貸VS購入のシミュレーションをしていた際に、この手元に残る不動産の価値を一切考慮に入れておらず、非常に驚いた記憶があります。まずここは、皆さんに住宅を持つことは資産を持つことであるという思考をぜひ持っていただきたいです。

 そうすると次に気になるのは、「それなら、将来いくらで売れると想定するのか」だと思います。まさに2つ目のポイントです。今回のシミュレーションでは、毎年1.5%ずつ価格が下落していく想定で作成しています。当然この数値が小さければ小さいほど、将来高く売れるということですが、果たしてこの下落率1.5%という数字はどれほど現実的なのでしょうか。