【仏山(中国)】チン・フアンシェンさんはかつて都会でもっと良い生活を送ることを夢見ていた。16歳で故郷の村を離れ、工場で働き始めた頃のことだ。  40代を迎えた今、彼女は4万ドル(約600万円)の借金を抱え、基本給は月400ドルだ。借金取りにしつこく追われている。高速鉄道の切符を買うことが禁じられているが、これは借金滞納者が政府に科される罰則の一つに過ぎない。  古びた鈍行列車に乗るしかないチンさんは、時折、周囲の乗客を見回してこう思う。