【ワシントン】米連邦最高裁で保守派が圧倒的多数を占めるようになったことは、恐らくドナルド・トランプ氏の大統領任期中の最大の功績だった。同氏に任命された3人の判事は、人工妊娠中絶の権利の否定やアファーマティブ・アクション(格差是正措置)の廃止など、歴史的な勝利をもたらした。  しかしトランプ前大統領個人の利益に関しては、最高裁は何の慰めにもなっていない。トランプ氏は幾つかの訴訟で、大統領権限の拡大解釈に基づく主張や、選挙における不正行為についての根拠のない申し立てが、自身の任命した判事たちによって退けられた後、憤りをあらわにした。