19世紀の英国首相パーマーストン卿は、当時のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン地方の(デンマーク、プロイセンなどへの)帰属を巡る国際的な論争があまりに複雑だったため、それを理解していた人は3人だけだと語ったといわれている。その3人とは、亡くなったアルバート王子、知性に難のある大学教授、そしてその問題をすっかり忘れてしまったパーマーストン卿自身だ。  現代の中東問題は、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン論争よりもさらに複雑だ。