運動したい、でもできない……。そこで本連載は論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指してみてください。

【医者が教える】「認知症になりにくい人」が住む町の特徴ナンバーワン
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毎日、歩いていますか?

 車がブンブン通る幹線道路や、自転車が猛スピードで通過する狭い道。

 都会のそんなところでは、なかなか歩く気分になれません。

 高齢者であれば億劫どころか、外に出るのも怖くなると思います。

「歩道が多い」と認知症発生リスクが低くなる!?

 東京医科歯科大学と千葉大学の研究チームは、65歳以上の高齢者約7万6000名に対して、近隣の歩道面積の割合と認知症発症との関係を約3年間追跡・分析するユニークな調査を行いました(※1 ※2)。

 結論からお伝えすると、この調査によれば歩道面積の割合が低い地域に住む人よりも、歩道面積の割合が高い地域に住む人の方が認知症発生リスクが約半減していたことがわかりました。

「歩きやすい環境」が認知症を予防したというわけです。
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ウォーキングは「マルチタスク」運動
歩くことで大脳皮質の運動野が活性化する

 ウォーキングを行うとき、近所に歩きやすい道があるかどうかは重要ですね。 

 そこで都会にお住まいで近くに歩道が少ない方は、できるだけ安全な歩道を見つけて、そこを意識的に歩くことをおすすめしたいと思います。

買い物は「幹線道路沿いのコンビニ」ですまさない

 たとえばスーパーなどで買い物をする場合も、近くの幹線道路沿いの便利なコンビニを使うのではなく、少し遠回りでも周りに安全な歩道があるスーパーを見つけて、その周りを歩く習慣をつけるといいかもしれません。

都会の人はやってみて

 ちなみに居住地域の都市度別(都会と田舎)で解析すると、都会でのみ歩道割合が認知症リスクの低さと関係していました。

 田舎は都会に比べれば交通量が少なく、歩道がなくても歩きやすい道が多いため、都会ほどの相関性がないのかもしれませんね。

※歩き方には「コツ」があります。お時間のある方は、本も参照してみてください。
※本稿は大谷義夫著『1日1万歩を続けなさい』より、一部を抜粋・編集したものです。本書にはウォーキングの効果にまつわるさまざまなエビデンスと、具体的で効果的な歩き方が紹介されています。ウォーキングで効果を出すには歩き方に「コツ」があります。このコツを本書でぜひ掴んでください。

【参考文献】
※1 東京医科歯科大学、千葉大学 報道発表 Press Release No: 260-20-51. 20210310walk.pdf (chiba-u.ac.jp)

※2 Tani Y, et al. Neighborhood Sidewalk Environment and Incidence of Dementia in Older Japanese Adults.Am J Epidemiol. 2021 Jul 1;190(7):1270-1280.doi: 10.1093/aje/kwab043.