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美人のもと

痛い

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第150回】 2013年4月9日
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 注射が怖いという人は多い。好きだという人は少ないだろうが、極端に怖がるのはたいてい男だ。男は強いという印象があるが、痛みに対しては弱い。男は子どもを産む痛みに耐えられないという話を聞く。

 美人は痛みに強い。もちろん血を見ることに弱い人も多いし、傷がつけば痛い。しかし、いつまでも痛がってはいない。たとえば、指を少し切ってしまった時、ちょっと手当をして、何もなかったかのように振舞う。痛くないのかと言えば「そりゃ痛い」と言いながらも笑っている。過剰に包帯を巻いたりもしない。痛がる時はこっそり痛がるようにする。他人にあまり見せないようにする。

 強さを感じると同時にかっこよさ、爽やかさを感じるのだ。

 いつまでも痛いと言っていても痛みが減るわけではないのだと言う。だから、痛みをあまり意識しないようにする。

 痛みを感じる時の顔、痛みを訴える時の顔はたいてい歪んでいる。「いてー」と叫んでいる顔だ。これが続けば歪んだ状態が定着していく可能性がある。つまり「美人のもと」が減っていくのだ。美人は痛みを顔に出す時間を短くすることが身についているのではないだろうか。

 痛みを意識しないようにする瞬間がある。口をキュッと閉じ、少し目を閉じる。その我慢する顔は美しい。「美人のもと」が増えていく瞬間なのだろう。

 いつまでも痛がっている人がいる。「もう痛くないだろう」と思われる時まで「いてー」を繰り返す。後悔しても痛みは減らないのに痛みの原因をぶつぶつ言う。いかに自分が痛いかを主張することに必死になる。自分が悪い時でも反省することが少なく、モノや他人を責める。責めながらさらに顔を歪める。「美人のもと」が勢いよく減っていく。痛がって文句を言っている時間だけ減っていく。

 たしかに痛がっている人はかわいそうである。しかし、他人が痛がっている時というのはあまり気分がいいものではない。だから、その時間を短くする努力をしてみることだ。そうすると自然に痛みも感じにくくなる。

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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

「美人のもと」

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