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商品市場透視眼鏡

新技術と企業買収によって
成長を生む米国のシェール革命

芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員]
2013年4月9日
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 日米の景気回復観測が持続する中で、3月後半は、日本株と米国原油の相場上昇が目立った。

 日米独の株価をドル建てで比較してみると、欧州株が下落傾向で推移し、米国株の上値が重くなるのに対し、日本株は上昇を続けた(右図参照)。日銀新体制による追加金融緩和への期待感が強く、長期金利の低下や企業収益の回復期待が株価の押し上げにつながった。

 もっとも、円安やインフレ期待によって、企業収益が回復するとの見方には慎重論もある。貿易収支の赤字化など現在の日本経済の構造では、円安の短期的な影響は、外需型・内需型を含めた企業全般の収益にプラスにはならない。

 確かに、輸入品の価格上昇などに連動して国内物価が上昇する一方で、人件費が抑制されれば、企業収益は増加しやすくなる。しかし、家計の購買力の低下から消費が減ると、景気減速要因になり得る。無理に賃上げを進めても、雇用が抑制されてしまう。

 他方、価格の乱高下が激しい資源関連の動向と照らしてインフレの意味を考えてみると、モノやサービスの価格が上がることは、それを生産するための手段を持つ者に有利に働くことがわかる。

 例えば、資源価格が上昇すれば、すでに鉱区を保有している開発や生産を行う上流部門の資源会社がもうかるようになる。

 しかし、鉱区の入札額、機材の価格、人件費などが、資源価格並みに上昇した後に参入する企業には、すでに起こった資源価格の上昇は何らメリットがない。また、以前から鉱区を保有している企業であっても、資源高騰時の事業拡大が失敗することもある。

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農産物・鉱物などの商品投資家のニーズに応えるコラム。執筆には第一線のエコノミストを迎え、商品市場の動向を分析、今後の展望を予測する。

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