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山崎元のマネー経済の歩き方

日本版ISAでの正しい運用法

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第272回】 2013年4月15日
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 通称「日本版ISA」と呼ばれる制度が2014年1月からスタートする予定だ。これは、1人が年間100万円まで行う投資の収益に対して5年間非課税とする、投資優遇税制だ。

 日本版ISAでは、1人が1金融機関に一つだけ専用の口座を開くことになるので、金融機関の間では、すでに口座獲得競争が始まっている。現段階で予定されている日本版ISAの制度は、必ずしも使い勝手がよくないし、金融機関にとっても多額の手数料が入るような制度設計にはなっていない。しかし、新しい顧客の獲得につながるし、既存の顧客を他社に奪われたくないこともあり、半ば採算性を度外視して口座獲得競争に参加している会社が多い。

 さて、個人は、日本版ISAをどう利用したらいいのか。

 「金融機関の選択」「運用計画」「金融商品の選択」に関して損得が明確な原則があるので、今のうちに確認しておこう。

 まず、金融機関の選択を先に行わないことが重要だ。金融機関は、必要な運用商品を扱っている会社を選ぶべきだし、同じ商品を購入する場合でも手数料が異なるので、この比較も行って決めるべきだ。最初に、「囲い込まれる」ことは、避けなければならない。

 運用の中身を考える上では、「税制の優遇枠を効果的に使うこと」「いったん買った商品を売却して再投資すると、非課税の対象からはずれること」の2点が重要だ。

 自分のお金の運用全体の中で、日本版ISAには、期待収益率が高い資産を集中的に「割り当てる」ことが得だ。仮に、預金と株式での運用を考えていて、株式のほうが収益率が高いと思うなら、日本版ISAで使える枠いっぱいまで株式を割り当てるべきだ。

 株式と債券の両方に投資するバランスファンドのような商品は、税制優遇の枠を最大に使えないので日本版ISAには不適当だ。

 一方、個別の株式に対する投資も、日本版ISAには不向きな場合が多いだろう。個別株の場合、5年間の投資期間の途中で売却したいタイミングが生じる可能性が大きいからだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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