
大和リースオリジナルのイクボスキャラクター「イクボっとら」と共に
男性の育業期間に応じて、最大100万円の奨励金
大和リースは、社員の男女比がおおむね3:1と男性の多い会社だが、男性社員の育業取得率は約9割。3カ月以上長期に育業する社員も4割に近づきつつあるという。全国では男性が3カ月以上育業する割合が13.9%(※2)であることと考え合わせると4割がいかに大きな数字かが分かる。
「以前から若い世代を中心に『育業』への意欲は高かったのですが、なかなか長期間の育業は増えませんでした。ところが2023年度、前年度は22%だった『1カ月以上』の育業取得率が60%と約3倍に急増しています」
大和リースの佐伯佳夫上席執行役員・人事部長がそう話す通り、同社ではこの数年で「男性育業の長期化」が大きく進んだ。この流れを強く後押ししたのが、同社独自の二つの制度だという。一つは「エンジェル奨励金」だ。
「出産に合わせて一時金を支給するもので、制度そのものは15年からありました。これを23年、男性側の育業期間に応じて支給金額が段階的に上がるようにアップデートしたのです」(佐伯上席執行役員)
具体的には、男性の育業が30日未満なら30万円、1カ月以上なら50万円、3カ月以上なら100万円を支給するという内容だ(*第1子の場合)。
100万円というインパクトのある金額に目がいくが、大事なのは金額の多寡ではない。単なる一時金ではなく「長期的な仕事と育児の両立」を促すトレーニングプログラムとして設計されている点がユニークなのだ。
次ページからは、育業を「見える化」「動詞化」する、驚きの仕組みを披露。
※1 厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」(男性:30.1%/女性:84.1%)
東京都「令和5年度東京都男女雇用平等参画状況調査」(男性:38.9%/女性:92.9%)
※2 厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」