ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside

【日銀特集:続報】
日銀展望レポートにOBも異論
懸念される追加緩和の可能性

週刊ダイヤモンド編集部
2013年5月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 「見通し期間の後半(2015年度)にかけて、『物価安定の目標』である2%程度に達する可能性が高い」

 市場の注目が集まる中、日本銀行が経済・物価の見通しを示す「展望レポート」が4月26日に公表された。そこでは案の定、そんな強気の説明がなされている。日銀が言うところの“街エコ(民間エコノミスト)”の物価見通しに比べれば、かなり楽観的だ。

 そもそも今回の展望レポートに注目が集まっていた背景には、その性格が、これまでとはいささか変わってしまったことがある。

 本来、毎年4月と10月に発表する展望レポートは、経済・物価の「見通し」を示すものだ(1月と7月にその中間評価を日銀自身が行う)。ところが今回ばかりは、前回の4月4日の金融政策決定会合で「戦力の逐次投入はせず、現時点で必要な政策をすべて講じた」と黒田東彦総裁が述べた通り、次元の異なる金融緩和策に踏み出していた。

 換言すれば、2%から逆算して必要な金額をすべて投じていたのだ。それだけに、こと物価の数字に関しては「見通し」というより、いわば「コミットメント」(約束)に近いものとなるのではないか――しかし本当にそういった数値を出してくるのかどうか、市場は好奇の目で見ていたわけだ。

 ところが、である。蓋を開けてみると多くの日銀ウォッチャーは、「あれっ、意外と弱気な数字だな」と口を揃えていた。「15年度にかけて2%に達する可能性が高い」と説明している割には、実際に示した物価見通しの数字は14年度(平均)で1.4%、15年度(同)でも1.9%である。前回の1月中間評価時に比べれば大きく上方修正されてはいるが、それでも2%には達していない。

 さらに詳細を眺めていくと、これまた違った様子が浮かび上がってくる。


 実はこの「2015年度1.9%」という数字は、政策委員会メンバー(総裁、2人の副総裁、6人の審議委員)9人の「中央値」を示したもの。つまり、各委員が示した物価見通しのうち、上から5番目の数値を意味しているに過ぎない(右表参照)。逆に言えば、9人のうち過半数の5人は「15年度でも2%には達しない」と思っているということである。佐藤健裕委員、木内登英委員に至っては「15年度に2%程度に達する可能性が高い」という記述に反対している。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年2月25日号 定価710円(税込)

特集 弁護士・裁判官・検察官 司法エリートの没落

知られざる法曹界の真実

【特集2】
サントリーと創業家
グローバル化への試練

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside

産業界・企業を取り巻くニュースの深層を掘り下げて独自取材。『週刊ダイヤモンド』の機動力を活かした的確でホットな情報が満載。

「inside」

⇒バックナンバー一覧