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検証!「アベノミクス」

社会保障制度改革国民会議で
何が行われているのか
――日本総合研究所上席主任研究員 西沢和彦

【第5回】 2013年5月15日
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安倍晋三政権では社会保障制度改革が話題に上ることはほとんどない。あまり注目されることのない社会保障制度改革国民会議では、一体、何が行われているのだろうか。国民会議は、昨年6月の民主、自民、公明の3党合意に基づき、社会保障制度改革推進法を根拠に、衆議院解散後の同年11月末に設置され、今年の8月21日が設置期限となっている。

国民会議は、現在まで11回開催されている。確かに、今年4月4日の第8回まで、事務局をつとめる社会保障改革担当室の意図は、医療とりわけ提供体制に力点を置いているという以外は、見えにくかった。昨年の第1回はキックオフ、第2回は衆議院選挙期間中でもあり委員間のディスカッション、安倍政権誕生後初となる第3回は仕切り直し、その後、第4回から第7回までの4回は医療を中心に各団体からの意見聴取が続いた。

しかし、4月19日の金曜日と22日の月曜日に土日を挟んで間髪を入れず開催された第9回と第10回の国民会議によって、事務局の意図の一端が垣間見えたといえる。国民会議では、何も行われていないのではない。その2つのポイントについて検討してみよう。

医療・介護施設の効率的な配置を
促すための基金の創設

 1つは、医療・介護施設の効率的な配置を促すという目的で、2014年4月と15年10月の2回に分け、10%まで引き上げられる消費税収の一部を使って新たに基金を設け、医療法人などに補助金を支給するということである。第9回の国民会議は、医療・介護に関する各委員からのプレゼンテーションであったが、1人の委員のプレゼンテーションを受け、翌20日に次のような報道が出た。

 「厚生労働省は、医療、介護施設の効率的な配置を促すため、医療法を改正し、地域の複数病院をホールディングカンパニー(持ち株会社)型化した地域独占の医療法人(非営利)の設置を認める方向で検討に入った。「地域医療・包括ケア創生基金」(仮称)を新設し、新型法人などに補助金を支給する(中略)同基金には毎年、消費税の一部を投入することを想定している」(毎日新聞朝刊)

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安倍政権の経済政策である「アベノミクス」は上々の滑り出しを見せている。だが、それは「期待」を転換させた段階に過ぎず、政策体系としては発展途上であり、まだまだ未完成だ。そこで本連載では、日本総研を代表する3人のエコノミストである山田久、西沢和彦、河村小百合がそれぞれ成長戦略、社会保障、財政再建について、「建設的批判」の観点からアベノミクスを検証し、あるべき方向について提言を行っていく。 

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