ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Close-Up Enterprise

サイバー戦争で後塵を拝す
日本のお寒い情報防衛事情

週刊ダイヤモンド編集部
2013年6月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

サイバー空間における国家間の攻防が激化している。今月の米中首脳会談では、米側が中国を発信源とするサイバー攻撃に懸念を表明。この流れに日本も対策強化を図るが、官民とも課題山積だ。

 「けしからん!」──。ある防衛省幹部は一昨年9月、新聞を手に思わず声を荒らげた。日本の防衛産業を代表する三菱重工業へのサイバー攻撃を報道で初めて知ったためだ。

サイバー空間防衛隊隊長には、一佐(大佐相当)が就くとされる。他国は将官クラスが担うことが多く、「対等な協議さえできない」との声も
Photo by Hiroaki Miyahara

 防衛省が定める「保護すべき情報」が漏洩した場合、取引企業は、契約の特約条項により防衛省に報告する義務を負う。三菱重工から漏洩した疑いのある情報は、条項に抵触はしていなかったとされ、契約違反ではなかった。

 それでも「報道で知らされるとは、これまでの三菱重工との関係を思えば、良識を疑う」と防衛省幹部は今なお苦虫をかみつぶす。

 しかし、現在も状況は改善していない。あまたある取引企業から「特約条項に基づく報告はもちろん、サイバー攻撃の有無や情報漏洩の疑いがあるとの話さえ記憶にない」と別の防衛省幹部は言う。

 だが、実際は防衛産業の一角を担うある民間企業では目下、1年当たり数百件に及ぶサイバー攻撃にさらされているのが実情だ。

 「本当に情報漏洩がないのか当事者を含め誰もわからないが、多くの攻撃を受けながらマルウエア(悪意のあるソフトウエアの総称)の侵入がゼロということは、まずあり得ない」とサイバーセキュリティ専門家は口をそろえる。

 防衛省が「闇に葬られているのではないか」との疑心暗鬼にさいなまれる中、6月10日、政府の「情報セキュリティ戦略」が決定した。その中で、サイバー攻撃やテロに備えるべく、自衛隊における「サイバー空間防衛隊」(仮称)の立ち上げをうたい、対策に踏み出した。

 今年度中に約90人体制での発足を目指し、2015年度の予算は141億円。昨年度の関連予算92億円から大幅に増額され、24時間体制で防衛に当たるという。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


Close-Up Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「Close-Up Enterprise」

⇒バックナンバー一覧