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金融市場異論百出

米住宅公社問題で投げ売りの恐怖 
いまだ残る「ドル暴落危機」の火種

2008年7月24日
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 「“第二ブレトンウッズ体制”は、オリジナルのブレトンウッズ体制のように崩壊するか?」。ヌリエル・ルービニ・ニューヨーク大学教授が、7月6日に発表したレポートが話題になっている。

 湾岸諸国、ロシア、インド、中国など多くの国が、自国通貨をドルにペッグするか、あるいはそれに準ずる厳格な為替レート管理を行なっている。同氏はそれを「第二ブレトンウッズ体制」と呼ぶ。

 もともとのブレトンウッズ体制とは、1945年に連合国が固定為替相場制としてつくったものであり、71年まで継続された。同体制終盤の70年代初期も、米国経済は双子の赤字であり、金融政策はルーズだった。それが当時のコモディティ価格を高騰させ、ドルペッグしていた国でもインフレを招いた。

 「第二ブレトンウッズ加盟国」も似た状況にあるという。国内のインフレを制御するために、ペッグを放棄したり、あるいは自国通貨切り上げを速いペースで実施する必要が生じてくるだろうと、ルービニ氏は予想している。

 米国のファニーメイ、フレディマックの株価が暴落したため、7月13日に米財務省、FRBは緊急支援策を発表した。ファニーメイとフレディマックを含む米GSE(政府支援企業)が発行しているエージェンシー債は、世界の金融機関、投資家が米国債に次ぐ安全資産という認識で購入してきた。

 各国通貨当局の外貨準備にもエージェンシー債は大量に組み込まれている。彼らはそれをFRBに預けている。その残高は7月9日時点で9790億ドルだった。前週よりも90億ドルも増加していた。海外当局はエージェンシー債を売り急ぐ動きを見せていなかった。

 しかし、もし彼らが動揺してそれを投げ売りし、急速にドルから逃避し始めたら、「第二ブレトンウッズ体制の終焉」どころではなく、世界の金融システムが恐慌状態に陥ってしまう。支援策発表が功を奏し、両GSEの資金繰り危機はひとまず回避された。しかし、財務状態が改善されたわけではなく、危機の火種は残っている。

 7月14日にポールソン財務長官がFRB議長とニューヨーク連銀総裁に「念書」を送っていたことが明らかにされた。

 ニューヨーク連銀から両GSEへの資金貸し出しで損失が発生したら、財務省がその面倒を見ることを示唆する記述があった。今回の支援策が、FRBの資産劣化→ドル下落の連鎖を招かないように、おそらくFRBサイドがポールソン長官に「念書」を要求したのだろう。米当局者もFRBの資産の健全性に神経質になり始めている。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)

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