ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

「選挙予測方程式」で展望する参議院選挙
~ 視野に入る自民党の単独過半数、
問題は「シルバーデモクラシー」 ~
――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田創,熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第103回】 2013年7月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

成長戦略の効果:
多くが「Jカーブ」になりやすい

 7月4日、第23回参議院選挙が公示された。21日の投開票に向けて選挙運動も熱を帯びている。参院選の結果は今後の成長戦略のあり方を左右するだけに、市場の注目度も非常に高い。

 今、日本はアベノミクスの下、景気循環への対応(金融緩和、財政出動)に加えて、構造改革(政治的には成長戦略という表現が好まれるようだが……)を推し進めようとしている。一般に、構造改革は中長期的に成果を期待しつつも、短期的には痛みや摩擦(既得権益の喪失など)を伴うことが多い。

 つまり、構造改革の成果は「Jカーブ」となりやすい。だからこそ、参院選後の政治は短期的な痛みや摩擦に引きずられることのない、骨太な体制を築かなくてはならない。

参院選後の政治:
「3年の選挙の空白期」が欠かせない

 そのために決定的に求められるのは「選挙の空白期」である。日本の選挙制度に基づくと、選挙の空白期は理論上、最長3年である。しかし、この3年の選挙の空白期は、戦後を通じて1980年代に2度(いずれも衆参同日選挙によって実現)あっただけで、極めて稀である。

 日本が中長期的な構造改革の必要性に直面することとなったバブル崩壊以降(1990年2月の衆院選以降)も、平均548日(1年半)という短いスパンで国政選挙(衆院選、参院選)が繰り返された。

 そのたびに、短期的に痛みを伴う構造改革の先送りが政治的に正当化されてきたことを思い起こすと、今回の参院選後はぜひとも「3年の選挙の空白期」を実現させたい。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

⇒バックナンバー一覧