【聖路加国際病院】
  コンシェルジュが患者の乗降をサポート

聖路加国際
メディカルセンター
総務課マネージャー
吉野彰造 氏

 東京都内を走るタクシーの車内が全面禁煙化されることになったのが、2008年1月。東京・築地の聖路加国際病院で、全車両を禁煙にしているタクシー会社と独占的な契約を結ぼうという話が持ち上がったのはちょうどその1年前だった。

「その時点で全車禁煙を実施していたのは、国際自動車だけでした。また、すべてのドライバーが心肺蘇生の研修を受けているとも聞き、当院が契約する相手としてふさわしいタクシー会社であると考えました」

 そう話すのは、聖路加国際メディカルセンター・総務課のマネージャー、吉野彰造氏である。同病院が、国際自動車が用意しているコンシェルジュサービスを導入したのも、ほぼ同じタイミングだった。これは、タクシー利用客の乗り降りをサポートするスタッフが契約先に常駐するというもの。「高齢の患者さんが多く、タクシー乗降時に車いすを利用する方が少なくない当院においては、まさにうってつけのサービスでした」と吉野氏は話す。

 コンシェルジュスタッフは主に女性で、新人スタッフが入る場合は、必ず病院のオリエンテーションを受けることになっている。医療現場の内情をしっかり知った上で、患者に適切な対応をしてほしいという病院側のニーズを反映した仕組みだ。

 導入後は患者からの評判もよく、安心してタクシーを利用できるという声が寄せられたという。また、コンシェルジュの存在によって、病院現場の労働負荷が軽減したのも大きな成果だった。