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金融市場異論百出

年金の行方に不安を抱く市民
波紋を呼ぶ米デトロイト破産

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2013年8月6日
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 米デトロイト市の破産は、市民にさまざまな重圧を与えている。

 現在39歳の黒人男性であるProvience氏は、殺人事件で誤認逮捕され、2000年3月に32~62年の禁固刑を言い渡された。その後、彼は無実だったことがわかり、09年11月に釈放された。10年近く刑務所に入れられていた彼はデトロイト市を訴えた。

 調停者は、市は500万ドルを彼に支払うべきと勧告したが、市はそれを拒否。宙ぶらりんの状態が2年続いていたところ、市はこの7月18日に破産宣言をした。交渉の先行きは不透明になってしまった。「Provience氏のケースは、バランスシートの陰に隠された痛みを描写している」と地元紙「デトロイト・ニュース」は報じている。

 デトロイトの公共交通機関はこの数年、機能不全を起こしていた。バスの部品、オイルの購入代金の支払いを市が遅延させていたため、業者はそれらを納入しなくなった。エンジンを修理に出しても、修理工場は返してくれなくなった。昨年時点で全体の20%のバスの運行が停止されていたという(「ウォールストリート・ジャーナル」)。

 デトロイト・ニュースによると、近年のデトロイトは実は「ビック3の街」ではなく、多くの拠点が同市から近郊、近隣の街に移されてきた。外国のメーカーや研究所もそういった地域にあるので、南東ミシガン全体は依然として世界の自動車産業の中心の一つである。しかし、GMとクライスラーがデトロイト市で雇用している数は1万人強にすぎず、フォードは過去1世紀、同市で車を作ったことはない。また、納税額が多い富裕層は郊外に移り住んでいる。

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