「発明大国イスラエル」の頭脳を日本が生かす道

 私は、2010年にYappa(ヤッパ)の伊藤正裕さんにインタビューしたことがあったが、彼はイスラエルを「発明」の国と仰っていた。日本ではアラブ諸国への配慮があり、イスラエルと積極的に関われない背景はあるが、ただ、韓国や中国はその辺をうまくやっている点を見ると、日本が戦略的に関わっていくことは十分に可能だと思っている。

 弊社は現在、日本・イスラエル両拠点で活動している。『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』の書評「今、生まれ変わろうとしないなら、日本は廃墟となったデトロイトのようになっていく」の中で、神谷秀樹氏が仰っていた「イスラエル・ジャパン・イノベーション・エコシステム」構想を実現させるべく、現在、「イスラエルにおける日本向けのイノベーションを集めてしまおう」というチャレンジを始めている(参照:Japan Innovation Center http://japaninnovationcenter.com/)。

 江戸時代の長崎には「出島」があったが、今度は日本の「出島」をイスラエル側に作ってしまえば、地政学リスク、戦争など、そんなに深く考えなくてよくなるのではないか。そうして、日本企業がリスクを取りさえすれば、神谷氏が仰る「イスラエル・ジャパン・イノベーション・エコシステム」は進んで行くと思うのは、私だけだろうか。


■10月上旬開催予定のイスラエル関連のイベント

1. サムライインキュベート/ISRATECH(イスラテック)共催(記事中にて紹介)

Start-up Nation Meetup Vol. 1 ――投資関係者、事業者、調査会社それぞれから見たイスラエル企業と日本企業との連携可能性(2013年10月10日 於:Samurai Startup Island)


2. イスラエル大使館経済部主催(2013年10月2日~4日 於:東京ビックサイト)
 A.テロ対策特殊装備展(SEECAT)イスラエル企業との共同出展

 B.東京国際航空宇宙産業展(ASET)
  
 C.危機管理産業展(RISCON)イスラエル企業との共同出展

3. イノベーションを継続的に生み出す国になるために日本とイスラエルはいかに協業できるか(2013年10月9日 於:国立大学法人 政策研究大学院大学)
主催:駐日イスラエル大使館 国立大学法人 政策研究大学院大学
後援:デロイトトーマツコンサルティング株式会社


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世界的不況の中でも経済成長を続けるイスラエル。世界的IT企業が買収したがるスタートアップ企業を 輩出し、研究開発拠点や先進的な生産拠点が置かれるのはなぜか? 建国の経緯、軍隊のあり方、産業政策などを取材と調査・分析により生き生きと描きだし、停滞する日本企業のイノベーションに多くの示唆を与える。

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