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日経平均先物の先行的な動きから「相場の転換点」が見える

2008年8月6日
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 日経平均株価とTOPIXの比較指標としてよく使われるのがNT倍率である。これは一般的には構成比率の違いに着目する。

 たとえば、銀行株がアウトパフォームすればNT倍率は下落するし、輸出関連銘柄が上昇すればNT倍率は上昇する。こうした現物株のセクターの動きを利用して、相関係数が1に近い指数の先物を売り買い両建てにしてサヤを抜くのが「NTディール」だ。

 このNT倍率だけでなく、日経平均とTOPIXの値動き、出来高、建玉などの違いを見てみると、興味深い傾向が浮かび上がる。

先んじて動く日経平均先物

 まずは、単純に値動きを見てみよう。日経平均先物は2007年に入って2月26日に高値1万8310円を付け、その後6月20日に1万8320円と高値を更新した。一方、TOPIXは1日遅れて2月27日に1825.5の高値となり、やはり1日遅れの6月21日に6月中の高値を付けたが、1795.5と2月の高値にまったく届かなかった。

 08年でも、日経平均は3月17日の安値後の二番底に当たる4月14日にそれまでの最安値を付けたが、TOPIXのほうは下回ることはなかった。これを境に株価は反発した。このように日経平均とTOPIXの乖離が節目で出たときは、かなりの確率でトレンドの転換を意味している。

 日経平均先物とTOPIX先物の建玉スプレッドも、相場の転換点を如実に示す。重要な高値、安値の前に建玉は先んじて動き、特に日経平均先物の建玉が先に動くケースがよく見られる。日経平均先物には短期の投資家が多く、TOPIX先物は機関投資家が多く保有しているためだ。

 出来高の場合は、日計りの業者に支配されているため、建玉のように方向観はつかめないが、今後トレンドがどちらに向くかの予兆は感じ取れる。これも日経平均先物に先行性があり、日経平均先物の出来高が先行して動くケースが多い。

 ボラティリティも同様で、下落期は日経平均とTOPIXのボラティリティスプレッドが高くなり、上昇期には低くなる傾向が強い。

 CTA、ヘッジファンドなど外国人投資家の短期筋がいまだに日経平均を選好していることもあってか、TOPIXよりも日経平均の先行性が高い。この似て非なる両指数をいろいろな角度から見るだけでも、相場の重要な節目が見えてくるのである。
 
(エクイティトレーダー 山独活継二)

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