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為替市場透視眼鏡

東京五輪も支援材料になり
ドル円は105~110円へ

田中泰輔(ドイツ証券グローバルマクロリサーチオフィサー)
2013年9月18日
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 今秋から米国の景気回復は力強さを増し、ドル高基調がはっきりするとみる。ユーロ圏は景気後退を脱出し、日本経済はアベノミクスで上向いている。中国経済減速にも歯止めがかかってきた。米量的緩和縮小懸念でぐらついた新興諸国の経済・市場も落ち着くところが徐々に増えそうだ。

 図は景気動向に沿った金利・株価・通貨の相場サイクルのイメージ。米景気は2009年第2四半期から4年間、超金融緩和で下支えしつつ回復局面に踏みとどまり、早ければ今月から緩和縮小への一歩を踏み出すだろう。米経済が自律的・持続的な拡大軌道に乗れば、ドルは15~16年ごろまで基調的に強いだろう。

 過去のパターンでは、景気循環的なドル高基調は、米景気回復が進み、FRB(米連邦準備制度理事会)が何度か利上げをした後に表れがちだった。しかし、今回は、金融危機の後遺症で景気回復局面が間延びし、変調が見られる。ドル安が長年続いたことの揺り戻しもあって、多くの通貨に対してドルはいち早く反発してみせた。

 例えば、新興国・資源国のリスク通貨は本来、米国の「景気回復+金融緩和」局面にドルキャリー(低金利ドルで調達した資金を他の通貨に替えて投資すること)で上昇する傾向がある。しかし今回、09~10年の景気拡大の後、11~12年の景気下降過程で経常赤字やインフレなどの不均衡を調整できず、景気回復が緩慢でドルに対して弱いままの通貨も少なくない。

 もっとも今後、米国・世界の景況改善を好感して、景気循環に敏感な開放経済国のオーストラリア、韓国、台湾、メキシコ、ポーランド、チェコ、ハンガリーなどの通貨がまず底堅さを取り戻すだろう。他方、南アフリカ共和国、トルコ、インド、ブラジル、インドネシアなど経常赤字国の通貨の立ち直りはもう少し遅れる可能性がある。

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FX、外貨投資家のニーズに応えた為替投資家向けコラム。執筆には第一線のエコノミストを迎え、為替相場の動向を分析、今後の展望を予測する。

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