──米国には、CS(顧客満足度)インデックスのような、企業活動を定量的に評価する指標があります。そのような統一した基準を設けることはできないでしょうか。

 日本にもサービス産業生産性協議会(SPRING)が実施している顧客満足度指数はあって、業種ごとにCSのランク付けを行っています。そのような基準を用いるという方法も確かにありますが、まずは、各事業者の自由な発想が何より大切であると私は考えています。評価基準を設けてしまえば、その基準を満たすためにアイデアを出すという傾向が生じる可能性があります。それは避けたいのです。

 誰もが考えたことがなかったようなもの、あるいは、その業種、その地域に根差したもの。そういう独自のアイデアが出てくることを私たちは期待しています。そのアイデア自体は数値として評価できるようなものではありません。あくまで「個別例」としてしか示せないものです。

 もっとも、いかに優れたアイデアが生まれても、それが売り上げに結び付かなければ意味がないということを考えれば、最終的には売り上げの増加こそが定量的評価であると見ることもできるでしょう。

 いずれにしても、多くの事例を示せば、どのようなプラスアルファがあるかを理解していただけるし、それがどのような成果に結び付いているかがわかっていただけます。そのような理解を促し、新しいアイデアのきっかけを提供するのが「おもてなし経営企業選」ということです。

──2020年に東京で開催されるオリンピック/パラリンピックの経済効果を、アベノミクスの「第四の矢」と呼ぶ向きもあります。実際、サービス産業に外需を呼び込む絶好の機会と言えます。

 招致のプレゼンテーションの中でも出てきたように、オリンピックは、日本のおもてなしの質の高さを世界にアピールするいいチャンスであると考えられます。2020年までに、観光やビジネスで日本を訪れる人々はどんどん増えていくでしょう。その人たちを日本のサービス産業がどう顧客として取り込んでいけるかが試されると思います。