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金融市場異論百出

10年前の壮大なる社会実験
海外の中央銀行が日銀に学ぶ

2009年8月13日
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 「アリスの国のようなワンダーランドへ本行が足を踏み込むことになる」。日銀は1999年前半の金融政策決定会合議事録を先日公開した。2月12日の会合で後藤康夫審議委員はそう述べていた。

 無担保コール・オーバーナイト金利を0.25%からゼロ%に向かって下げていくと、金融市場で混乱が発生しないか多くの委員は心配していた。日本では今でこそゼロ金利が当たり前のようになってしまったが、当時は「海図なき航海」に踏み出すような恐怖感があった。

 委員会の議論は結局、「金融面から精一杯の下支えをしていくことが適当」(速水優総裁)となり、ゼロ金利政策が決定される。

 現在、先進国の多くの中央銀行は、銀行間の短期金利を超低水準に押し下げている。しかし、FRB、ECB、イングランド銀行は、かつての日銀のようなゼロ金利政策は選択していない。

 最近のオーバーナイト金利の推移は、ドル=0.15~0.2%、ユーロ=0.33~0.37%、ポンド=0.4~0.43%だ。

 スウェーデン中央銀行(リクスバンク)の7月1日の金融政策決定会合でも、ゼロ金利政策を行なうべきか侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が行なわれていた。

 著名な経済学者でもあるスベンソン委員はゼロ金利政策の導入を主張した。しかし、他の政策委員は、金利をゼロまで下げても経済への効果は限られること、短期金融市場の機能を損ねる恐れがあることなどを理由に、0.25%の政策金利を支持していた。

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