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生活保護のリアル みわよしこ

「リアル」を知らない政治家に動かされてよいのか?
食費1ヵ月3600円の当事者が語る「生活保護リアル」

――政策ウォッチ編・第51回

みわよしこ [フリーランス・ライター]
【政策ウォッチ編・第51回】 2013年12月13日
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2013年12月6日、混乱する国会で、生活保護法改正案・生活困窮者自立支援法案が成立した。

メディア報道の多くでは、「不正受給対策の強化」「就労自立の促進」という面がクローズアップされている。

2012年12月、自民党政権成立に「終わりです」と嘆いた生活保護当事者は、今、何を思い、どのような毎日を送っているだろうか?(参照:政策ウォッチ編・第7回

ついに可決された
生活保護法改正案に当事者は…

 2013年12月6日、参議院・衆議院ともの混乱の中で、生活保護法改正案・生活困窮者自立支援法案が衆議院で可決された。これら2法案は参院先議のため、衆議院での可決によって成立した。改正生活保護法は、一部を除いて、2014年7月1日より施行予定となっている。

 生活保護法の改正が必要な理由は、提出時法案によれば下記のとおりである。

 保護の決定に際してのより実効ある不正の防止、医療扶助の実施の適正化等を図ることにより、国民の生活保護制度に対する信頼を高めるとともに、被保護者の就労による自立の助長を図るため、保護の決定に係る手続の整備、指定医療機関等の指定制度の整備、被保護者が就労により自立することを促進するための給付金を支給する制度の創設等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 問題は、金額ベースで1%にも満たない「不正受給」であり、当事者の意図とはしばしば無関係な医療扶助の不正・不適切な実施であるとされている。また、「被保護者は就労による自立を充分に行っていない」とも見られている。そうでなければ「自立の助長を図る」「就労により自立することを促進する」という文言は出てこないはずだ。

 賛否はともあれ、これが日本政府と政府与党の公式見解なのであろう。

 では、生活保護を利用している当事者は、2013年8月1日から施行された生活保護基準見直し(ほぼ大幅引き下げ)と生活保護法改正について、どう考えているだろうか? 

平田さんの住む町では、冬場、気温がマイナス25℃になることもある。でも、平田さんの利用している暖房機器は、石油ストーブとホットカーペットだけだ
Photo by Yoshiko Miwa

 今回は、本連載政策ウォッチ編・第7回にご登場いただいた平田明子さん(仮名・44歳・北海道在住)の声を紹介したい。もともと小学校教員だった平田さんは、結婚、DV被害に遭っての離婚を経験した後、非正規雇用で教育委員会などに勤務していたが、職場でのパワハラが引き金となって精神を病み、休職して治療に専念したものの回復せず、退職。その後、生活保護を申請して利用を開始し、現在は2年目となる。

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みわよしこ [フリーランス・ライター]

1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら


生活保護のリアル みわよしこ

急増する生活保護費の不正受給が社会問題化する昨今。「生活保護」制度自体の見直しまでもが取りざたされはじめている。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を知ってもらうことを目的とし、制度そのものの解説とともに、生活保護受給者たちなどを取材。「ありのまま」の姿を紹介してゆく。

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