英語が得意な人も、会計が得意な人も、会計×英語となると、ちょっと自信がなくなるもの。厳選した単語を徹底的に掘り下げて解説し、好評を博している『会計プロフェッショナルの英単語100』の著者のお二人に、Tipsとも言える会計英語の意外な知識を紹介してもらう。

長い数値の読み方

 長い数値を読むときに、ケタがいったいいくらから始まるかに、戸惑う方は意外に多いものです。下1ケタ目から、「一、十、百、千、万……」などと数えてから数値を読む方は、正に数値の罠にはまっているのでしょう。日本語で数値を読むのがやっかいなのは、カンマの位置と数値の区切りが一定していないためです。英語では、この両者が見事に合致しているので、ストレスなく上から読み上げればよいのです。

 ¥123,456,789を英語で読んでみましょう。(1)英語はカンマで区切って読むこと、(2)Hundredの後にはandを入れたほうがていねい、の2点に注意して読んでみます。ただし、andは1回だけにしておくとスマートです。
 いかがでしょうか。(1)と(2)に従って読むと、One hundred (and)twenty three million four hundred (and) fifty six thousand seven hundred (and)eighty nineとなります。
 百万でも2百万でも、数値のmillionには複数を意味するsはつけません。1 million、2 millionです。trillion、billion、thousandも同様です。Millions of people(何百万もの人々)といったときには、sをつけて表記します。

小数点の読み方

 小数点「.」のことを、英語ではDecimal pointと言います。では、小数点の付いた数字を読むときは何と言うかご存じですか? 
 日本語で「点」と発音するところをPoint(ポイント)と言い換えるだけです。たとえば4.5であれば、Four point fiveと読みます。
 また英語独特の表現で、Basis point(ベーシス・ポイント)というのがあります。これは、1%の100分の1、つまり0.01%を意味します。

 たとえば、
We will increase our operating profit margin by 100 basis points.
とあれば、「我々は、営業利益率を100ベーシス・ポイント(1%)改善するだろう」となります。「1%の改善」だと大した業績に聞こえませんが、「100ベーシス・ポイントの改善」と言われれば、ものすごく大きな実績に響きます。利益率を1%改善することが現実的にもそう容易でないことを考えれば、それをアピールするためにも「ベーシス・ポイント」の表現を使って、数値を大きく見せるのも有効なのでしょう。