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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

世界で今後重要となる4つの技術開発、
鍵を握るのは日本企業

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第5回】 2008年6月27日
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 前回に続きシリコンバレーで行われたパネルディスカッションについてご報告する。今回のテーマはIT以外である。パネリストは、Draper Fisher JurvetsonのSteve Jurvetson、 Khosla Ventures のVinod Khosla、First Round CapitalのJosh Kopelman、Elevation PartnersのRoger McNamee、Accel PartnersのJoe Schoendorfの5名で、いずれもシリコンバレーの代表的なベンチャーキャピタリストである。

中高年の脳を活性化する
プログラムの開発

 アメリカにも団塊の世代がある。太平洋戦争と第二次世界大戦から帰還した人から生まれた世代が続々と60歳になっている。そのスピードは11秒に一人が60歳を迎えるほどのスピードである。この層は学歴が高く、インターネットも使える世代であるが、その多くは社会の第一線から離れようとしている。こうした世代を社会にどう生かすかが、いま問われている。

 60歳を過ぎると体力が衰えてくるのは仕方がない。だが知力はどうか。これを衰えさせないためにはどうすればよいのか。問題となるのは“脳の働きの維持”である。脳の機能を分析して精神的な鋭さ(Mental Acuity)を活性化させるプログラムの開発に取り組んでいるベンチャーが出てきている。

 Mayo ClinicとUniversity of Southern Californiaが開発したPosit Scienceの認知トレーニング・ソフトウェアを40時間使用すると、注意力と記憶を10年間若返らせることができたという。再訓練で若返った脳を持った中高年が労働市場に回帰すれば、労働力不足問題も解決できるし、医療保険問題、年金問題にもよい影響を与えるようになる。

石油高騰で急務となった
代替エネルギーの開発

 米国ではガソリン価格がわずか1年半足らずでほぼ2倍に値上がりし、消費者にとって大きな負担となっている。このため、石油を代替するバイオ燃料の開発が強く望まれている。

 この分野に多くの投資をしているVinod Khosla氏によると、バイオ燃料の開発に携わっているベンチャー企業数は有望なものだけでも30社を超える。原料となるのは、食料とバッティングしないことが重要で、バイオマス、廃棄物、海草、サトウキビ・スターチ、天然ガスを使用する。最終生成物もエタノール、ブタノール、メタン、ディーゼル、ガソリン、或いは、これらの混合物と幅広い。

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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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