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父と娘の就活日誌

3月末は、嵐の前の静けさ?

――4月からの就活本番に向けて

楠木 新
【第23回】 2008年4月2日
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「3月も最後の週だけれども、就職活動の具合はどうなの?」

「今月後半から、銀行や保険会社からまとまって説明会や面接の連絡が来るようになったよ。だからこの2週間は金融を中心に回っている」

「『2月末で1割が内々定を獲得』と書いた新聞記事(※注1)があるけど実際はどうなんだ?」

「私の周りで内々定が出たのは、かつて外資を導入したA銀行とマスコミだけ。他の会社はこれからだよ」

「友達はどうなの?」

「3月25日に、ゼミの卒業コンパに参加した時は、同学年の3人も私と同じ状況だったわ。志望の業種は、それぞれインフラ系、商社、銀行と異なっているけどね。会社説明会、SPI試験、面接をこなしながら、エントリーシートを書いていた3月半ばまでに比べると一服した感じで、むしろ時間的には少しゆったりしているよ。」

「たしかに新聞記事では、企業の規模や業種が書いていないから、よく分からないね。採用側もいろいろな会社があるからね」

「私の周りでは、4月に入ると一気に進む感じだよ」

「今は、4月にやってくる嵐の前の静けさかもね」

「ところで裕美は、金融機関は興味がなかったんじゃないのか」

「はじめは大量採用で悪いイメージがあったけど、面接で人と話しているうちに変わってきたの」

「どういう風に変わったんだ?」

「今までは、会社の外側からみていたけど、何回もリクルーターと話すと一人一人が考えを持って仕事をしていることが分かってきた感じかな」

「人に会って変化したわけだ」

「そうね、短時間の面接試験ではなくて、リクルーターとは1時間は話すので自然と自分を出せるし。はじめに相手の雰囲気をつかむのに、私は時間がかかる方だから」

「でも金融機関だと転勤が多いわよ」

「将来は関西で暮らしたい気持ちはあるけど、初めはこだわらないわ。それに自立のために、関西勤務になっても一人住まいをするわよ」

「えぇっ、そういうつもりなの」

※注1:日経産業新聞

「内々定、1割獲得」
~09年春の就職予定者、レジェンダ2月調査、企業の採用活動早く~
(2008/03/07、日経産業新聞、21ページ)

人事業務支援のレジェンダ・コーポレーション(東京・新宿)は二〇〇九年春に入社予定の学生の就職活動状況を調べた結果をまとめた。二月だけで六社以上の面接を受けた学生もおり、約一割の学生はすでに内々定を得ていた。企業の多くが学生囲い込みのため、採用活動を早めている様子がうかがえる。
(中略)
調査は2月23日から29日にかけて、インターネットを使ってアンケート形式で実施した。対象は09年4月入社を希望する学生7445人(有効回答数千1510人)。

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楠木 新

金融機関に勤務するかたわら、「働く意味」をテーマに執筆、講演などに取り組む。12万部を超えるベストセラーになった『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『就職に勝つ!わが子を失敗させない「会社選び」』(ダイヤモンド社)など著書多数。近著に『人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』(東洋経済新報社)がある。


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働く価値観が多様化する中、超売り手市場の環境下で、大学生はどのように企業選択をしていくのか。就職活動に臨む大学3年生の娘と父とのリアルな対話を通して、実状に迫る。

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