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「Macは永遠に続く」と宣言したアップルの強さ

松村太郎 [ジャーナリスト・著者]
【第13回】 2014年2月10日
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シリコンバレーで30年続く企業

アップルの米国サイトで公開された「Mac30周年」のロゴ

 2014年1月24日、アップルは同社のコンピュータブランドである「Mac」(かつてのMacintosh)が30周年を迎えた。米国の一大イベントであるアメリカンフットボールの決勝戦「スーパーボウル」でアップルはコマーシャルを放映し、それまでのコンピュータを打ち壊す製品であるとアピールして登場したのがこの製品だ。

 片手で持てるディスプレイと一体型の筐体、より信頼性が高まった3.5インチフロッピーディスクを搭載し、キーボードに加えてマウスでの操作を標準としたグラフィカルユーザーインターフェイスを備えた。その他のコンピュータがキーボードからコマンドを入力して操作するスタイルであったことから、画期的なコンピュータとして受け入れられ、デスクトップパブリッシング(DTP)などの新しい分野を切り開いた。

 スタートアップが活発な分、消えていく企業も多いシリコンバレーで、1つの製品を30年作り続ける企業は非常にまれだ。特に、事業を売却したり、「ピボット」と呼ばれる事業転換の手法が用いられ、さらにアプリ1つで大きなユーザーベースを獲得できるようになった現在、こうした長期にわたって1つの製品カテゴリにコミットし続けるアップルは、地元で尊敬される存在でもある。

 もっとも、より小規模なスタートアップを可能にしたアプリのエコシステムもアップルが作ったものであり、クラウドやソーシャルが苦手と揶揄されるアップルは、より大きな青写真を描いてプラットホームを作るのが上手だ、とも言えるかもしれない。

 そのアップルは、「Macは今後も続く」としている。

筆者は「スイッチ組」

 アップルのMac30周年ウェブサイトでは、30周年を記念するコンテンツが多数掲載されている。様々なクリエイターへのインタビューや、30年間のMacの歴史、発売されてきたMacを振り返ることができるデジタルミュージアムのような作りだ。その中で、我々ユーザーが、いつ、何のためにMacを使い始めたのか、を投稿することができる。

 筆者は中学生になる際の1993年に父親のすすめでコンピュータを使い始めることになった。パソコン雑誌を買いあさり、秋葉原に足繁く通って、NECのPC-9821とアップルのMacintosh LC520の2つに絞ったのを覚えている。どちらも白いボディの一体型で、入門機にはぴったりだったが、日本のソフトの充実度から前者を選んだ。

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松村太郎[ジャーナリスト・著者]

まつむら・たろう/1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「スマートフォン新時代」「ソーシャルラーニング入門」など。

 


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スマホ、SNSなど、毎日の暮らしに欠かすことのできなくなったネット環境とデジタルツール。その一方で、セキュリティやプライバシーの問題、ツールへの依存、ネットコミュニティとの関わり方など、日々新たな問題が現れ、状況は変化している。私たちは「デジタルな日常」をどう生きていけばいいのか、米国シリコンバレー在住の記者が、生活者の目線で解説する。

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