いよいよ今日から確定申告の受付がスタート!
フリーランス、個人事業、副業サラリーマンにとっては1円でもお金を取り戻す絶好の機会だ。
そこで、『【新版】フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための「個人か?会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』の著者で、“ぶっちゃけ税理士”の岩松正記氏に、1円でも多くお金を取り戻す“合法的裏技”を教えてもらった。

同居の場合は「所得の高いほうに合算」するとおトク!

岩松正記(いわまつ・まさき)通称“ぶっちゃけ税理士”。東北税理士会所属。山一證券では同期トップクラスの営業成績。アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場準備担当役員や会計事務所勤務など、10年間に転職4回と一時期無職になった経験を活かし、創業から事業承継・M&Aまでを網羅して中小企業を支援。何事にも本音でぶちあたるその姿が共感を呼び、政府系起業支援団体の第1期アドバイザーとして指名数東北・北海道ナンバーワン(全国3位・起業相談部門)となったほか、メガバンクや企業での講演、プレジデント・日本経済新聞への掲載などマスコミ取材も多数。関与した経営者は2000人超。元査察の税理士に仕えていたため、税の世界の裏事情にも詳しい。

第1回では、医療費控除で多くの人が見落としがちな点を紹介しました。
 今回は、医療費控除についてもう一つの盲点と、還付についてトクする方法を紹介します。

 最近は夫婦共稼ぎ世帯が増えていますが、夫婦それぞれに使った医療費がある場合、収入が別だからといって、医療費も別々にカウントなどしなくてもいいのです。
 ここが医療費控除制度のすぐれている点だと思うのですが、扶養に入れていなくても「生計を一にしている場合」には、所得の高いほうにまとめて計算してもいいことになっています。

 最近では、女性のほうが収入が高いということもありますから、必ずしも男性ばかりが医療費控除を受けて確定申告する、ということはありません。
 たとえば、世帯主の夫の年収が400万円、妻の年収が700万円というような場合には、妻が夫の医療費(もちろん子どもの分があるときは子どもの分も)を合算して、医療費控除を受けたほうがトクになるのは明白です。

 これは、現行の所得税の仕組みが累進課税だからなのですね。
 税率が高い人ほど、同じ金額に対する税金の負担が大きいので、同じ医療費額だったら、所得の高い人で医療費控除を受けたほうが当然おトクだということになるわけです。

 たとえば、年間の医療費が20万円だった場合に受けられる医療費控除額は、一つの目安ですが、年収400万円の人なら約5000円、700万円の人は約2万円です。
 わずかの差と言えばわずかですが、それでもやはり、少しでも有利なほうを選ぶべきでしょう。
 医療費控除については、医療費を所得の高い人に集める、このことを忘れないようにしましょう。